今年(2021年)高校見学に行って再認識したこと。
それは「高校生になっても、部活・部活・部活」だということ。
特に都立高校(上位~真ん中くらいの高校)にその傾向が強い。
いまだに、中学校も高校もとにかく「部活・部活」。
スポーツ強豪校に通っていて、将来そのスポーツの指導者として食べていきたい生徒ばかりならば、部活に熱を入れるのも理解できる。
また、そのスポーツが好きで好きで、どうしてもやりたいならば部活に入るのもわかる。中高一貫校で受験を気にせず部活に打ち込める環境ならば、思い切り部活に浸かるのも良い。
でも、そうでないならば、なぜ部活に入らなければならないんだろうか。
そう思う保護者は少数派なんだろう、きっと。
高校のパンフレットを見ると「部活=人間力」みたいなことが書いてある。
部活に加入しないと人間力は磨かれないのだろうか。
部活に加入せず、家族や小さい弟妹の世話をしているヤングケアラーの生徒だって、他人の世話をすることで人間力が磨かれると思うのだが。
真ん中より上のレベルの高校では数が少ないだろうが、定時制高校などでは、生活費の足しにするためアルバイトをしなければならない生徒だっているのだ。
「部活をやらない(帰宅部)=学校で評価されない」はあまりにステレオタイプだ。
長男は部活に未加入
我が家の長男は部活に入っていない。
長男いわく「部活でやりたいものがないから」だそうだ。
だから、親であるわたしも、部活への加入を長男に強制していない。
でも、長男が部活に入っていないと言うと、驚く人が多いのだ。
それだけ、中・高の部活は当たり前になっている。
保護者の負担の重さ
中学で子どもが部活に加入している保護者から話を聞くと、部活では保護者間のネットワークがあり、LINEを使ってやりとりしなければならないそうだ。
わたしが中学生の頃は、親が部活に関わるなんて考えられなかった。
でも今は、高校生の部活でも保護者同士で連絡を取り合うのが当たり前らしい。
もしそうならば、親が病気などで家事や小さい弟妹たちの世話をしているヤングケアラーの子どもたちは、集団スポーツ系の部活には到底加入できないだろう。
集団スポーツ系の部活では、日々の練習や週末の試合に強制参加だ。親や祖父母の介護や、親の代わりに小さな兄弟たちの面倒をみている生徒は到底、集団スポーツの部活に加入するのは難しいだろう。
それに、運動系の部活に加入すると、やれユニフォームだ・やれ靴だ・やれ道具だ、と高額なスポーツ用品を購入しなければならない。
そう思うと、部活というのは、生活にある程度の余裕がある家庭の生徒しか加入できないのがわかる。
部活にはメリットがあるのも確かだ
部活には、友人や顧問、指導者など、教室以外でいろいろな人と関わることができるというメリットがあるのも確かだ。
以前も書いたが(「ゆる部活」というのが増えているらしい)、強制参加ではなくて、出たいときに出られるような、緩くつながる部活があると、ヤングケアラーのように経済的に困窮している家庭の生徒でも、気兼ねなく参加できると思うのだ。
時間とお金に余裕がある家庭の生徒しか参加できない部活ばかりが公立学校にあるのは、おかしい気がする。
経済的に苦しい家庭の生徒も、部活のメリットを享受できたほうがいい。
経済的に苦しい家庭の生徒が気軽に参加できるような部活がもっと増えてほしい。