昔から「都立高校しか受験しない」という家庭がある。
受験するのは「都立高校一校」のみ。
わたしの実家もそうだった。
わたしが中学生の頃は「都立高校しか受験しない」そういう家庭は公立中学ではたくさんいた。
低所得世帯は私立高校に進学するのが難しいからだ。たとえ通信制高校でも、私学はそれなりに費用がかかる。
いくら私立高校の授業料に給付金が出るといっても、入学金・学用品・施設費などには給付金が出ない。
私立高校に入学する場合、たとえ授業料が全額免除になっても、現状、入学金・学用品・施設費合わせて30万円程度は必要だ。
一方、都立高校の場合、生活困窮家庭は学費免除であり、学用品についても給付金が出る。
都立高校の場合、学校にもよるが、生活困窮家庭だと高校入学に際してそれほどお金がかからない。
進路面談の際、公立中学は都立高校の滑り止めとして私立高校を受験するようすすめてくるが、私立高校に進学する余裕がない家庭が公立中学には一定数存在する。
そういうご家庭の場合、都立高校を受験して不合格だったら二次募集で都立高校をまた受験し、二次募集も不合格だったら三次募集をまた受験する、ということになる。
今年(2024年)の都立高校の三次募集の人数が発表された。
都立高校第三次募集(全日制課程及び定時制課程分割募集実施校一覧)
これをみると、普通科高校に関して今年は三次募集の数が少ない。
今年(2024年度)は、普通科に関しては、大幅な空きが出ている2校(大森・五日市)を除いて二次募集で都立高校の定員がかなり埋まったのだ。
工科高校には空きが出ているが、商業高校・農業高校もほぼ定員が埋まっている。
都立高校の三次募集の数から類推するに、今年は最初から私立高校を受験せず、都立高校に進学する生徒が増えているのだろう。
物価上昇などで生活が苦しい家庭が増えているんだな、ということがわかる。