誰のための大学なのか

今年、高校見学に行って、どの高校でも言われたのが、

「今は少子化で大学から引く手あまたですから」

という言葉だった。

つまり「大学を選ばなければ、必ずどこかの大学に入れる」ということ。

今やどこの高校にも「うちの大学を受験してください」と大学からの営業が来るると聞いた。

その大学で将来学ぶかもしれない学生のために営業に来ているのではなくて、まるで「私たちを食わせてください」と訴えるかのごとく、その大学で働いている自分たちの食い扶持のために営業に来ているとしか思えない。

個人的には、やりたいことが見つからない段階で適当に学部を選んで大学に入学しても仕方がないと思う。

本来は、やりたいことが見つかった段階で大学に入学したほうがいい。

30年・40年以上昔みたいに学費が安ければ、いったん大学に入学してみて「違うな」と思った時点で別の大学に入り直すこともできる。けれども今は、私立文系でも初年度費用合計100万円超えが普通だったりする。

今の時代、安易に大学に入り直すのは金銭的負担が大きすぎる。

「大学受験界では少子化で学生の取り合いになっている」様子を伺うにつけ、大学にとって若者は「社会の宝」ではなく「金のなる木」なのだと実感する。

大学というのはもはや、学生のための教育機関ではなくて、そこで働く大人の食い扶持のための機関なのだろう。

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