長男は中学生までは、漢字を覚えること・漢字を書くことが苦手だった。
とにかく学校という場所は、漢字を「書く」練習をさせたがる。
わたしが子どもの頃から今までずっとそうだ。
いや、やはり、昔のほうが漢字をたくさん書かせていたと思う。
塾も同様だ(漢字が苦手な子どもに理解がある一部の塾を除く)。
とはいえ、この10年で小学校では特別支援教育がかなり浸透してきた。
特別支援教育の普及で、書字が苦手な子が少なからずいることが認識されたせいか、昔に比べると「漢字=書いて覚えろ」という強制は小学校では少なくなってきたと感じる。
それはありがたいことだ。
長男を小学校に通わせた経験から言うと、小学校で理解ある担任に当たれば、字を書くのが苦手な子に無理やり大量の漢字学習をさせるなんてことは、しなくなってきた。
対照的に、中学・高校というのは小学校に比べると、漢字を書いて覚えさせる風潮がまだ残っている。
中学・高校で特別支援教育を普及させたいなら、特別支援専任の教師を増やすよりも、一般の教師の意識を改革したほうが良いと思う。
単に漢字をたくさん書かせても「作業」になってしまい脳(記憶)に残らないと言われて久しいのに、相変わらず「作業」として漢字練習をさせる教師が存在する。
書字の苦手さは成長とともに薄れる
長男は漢字が苦手だったので、小学校入学時から「大量に漢字を書かせる練習はしない」ことに決めていた。
長男はたとえば、
・「指=てへん+ヒ+日」のように漢字を分解して覚える
・「寺=時=持=ジ」のように同じ部分を持つ漢字は同じ音だと覚える
など、書く練習をできるだけ減らして、工夫して漢字を覚えてきた。
不思議なことに、長男は小学校高学年になって急に、図形を記憶できるようになった(このことは以前も書いた)。
さらも、長男の場合、漢字を書くことに対する苦手さが急になくなったのは、高校受験を経験してからだ。
長男は、高校生になってようやく、「漢字をなぞる」・「漢字を丁寧に書く」ことが苦にならなくなってきた。
そんな長男の様子を見て、
という思いが頭によぎる。
でも、今の公教育は、成長するまで待つことを許してくれないのである。