NHK…今日もまた都立高校の男女別定員の話か

NHKは今年に入ってから盛んに、都立高校の男女別定員撤廃に関する番組を流している。

夕方のニュースで取り上げたり、今日(土曜日)午前中の番組でも取り上げていた。

このブログでも何度も取り上げているが、都立高校の男女別定員撤廃の問題は「東京都の高校入試では優秀な女子(女子上位層)の進学先が少ない」ことに尽きる。

東京都の高校入試では、男女ともに難関校として国立大付属と難関私大付属を受験できる。

ただ、男子上位層は開成・巣鴨・桐朋・城北…という私立高校(非付属高)の選択肢があるけれども、非附属の私立女子難関高が完全中高一貫校となり高入募集をしないため、女子上位層は私立高校(非付属校)という選択肢がない。

 

女子上位層の受け皿確保

東京都の高校入試で女子上位層の受け皿をつくるためには、

・都立高校の男女別定員の撤廃をする

・高入募集をする私立男子校を共学化する

・高入募集をしていない私立難関女子校に高入募集をしてもらう

の3つしかない。

このうち「高入募集をする私立男子校を共学化する」は学校創立の理念に反するから現実的ではないだろうし、「高入しない私立女子校が高入募集をする」のは、先の豊島岡女子の高校募集停止とは真逆を行く行為でやはり現実的ではない。

豊島岡女子だって、高入募集するメリットがないから高入を停止したのだろう。

そうなると、東京都の高校入試での女子上位層の受け皿の確保は、現実的には「都立高校の男女別定員撤廃」に落ち着くのだろう。

 

高校受験だけの問題ではない

都立高校の男女別定員は撤廃すればよいと思う。

ただ、男女に能力の差がないというならば、都立高校の男女別定員を撤廃した結果、入学者が女子に偏るならば、入試制度自体が女子に有利になっているということを証明しているようなものだ。

 

東京都・中学受験による影響

この問題は、高校入試だけを考えれば済む問題ではない。

東京都は約4分の1のこどもが中学受験して私立中学に通うという、他の都道府県にはない特殊事情がある。東京都での中学受験率は他の都道府県よりも突出して高いのだ。

小学校受験・中学受験で男女それぞれどれくらいの割合で国立や私学に抜けているのかを確認する必要があるのだろう。

東京都では、高校募集しない完全中高一貫男子校は14校なのに対し、高校募集しない完全中高一貫女子校は33校もある高校募集がない東京の私立高校 – 入試ホームページナビ2021関連情報 (gakkou.net)の情報を基に算出)

高校受験できる難関校には男子校が多いことは確かだ。一方で、小学校受験・中学受験でしか入学できない難関女子校が多いことも確かだ。中学受験で相当数の女子優秀層が国立や私学に抜けている可能性を考慮したほうがよい。

都立高校の男女別定員を撤廃するならば、男女ともに不公平がない入試制度にしてほしい。

 

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