今回は、都立新宿山吹高校の高校見学に行った感想をまとめた。
「私服・単位制で取りたい授業を自分で選べる」なんて、まるで大学みたい!
新宿山吹高校はひとことで言って「とてもユニークな学校」。
新宿山吹高校を見学してみて「こんなに変わった都立高校があるんだ!」と驚いた。
こんなユニークな高校、これからもずっと存続していってほしい。
新宿山吹高校を見学して
私たち親子は新宿山吹高校に何度か足を運んだ。
私自身は、新宿山吹高校に自分には合っていると思った。
けれども、高校に通うのは私ではなく長男だ。
当たり前だが、私には合っていても、長男に合うかどうかはまた別の話だ。
長男は新宿山吹高校にはさほど乗り気ではなかった(嫌ではないようだった)。
不登校生徒の増加による影響か、新宿山吹高校の倍率はここ数年上昇傾向である。
我が家の長男の場合、最終的に安全パイを選ぶことにした。つまり、長男は、新宿山吹高校とは別の都立高校を受験した。
新宿山吹高校の特徴
・定時制と通信制の2種類がある
・定時制は、普通科と情報科の2種類
・普通科は、授業時間帯によって1部から4部に分かれている(情報科は2部と4部の2種類)
・朝から夕方までずっと授業があり、その中から取りたい授業を自分で選択できる(学びたいことを自分で選べる・時間割を自分で決める)
・3年で卒業する必要がない(6年まで在籍可能)
学校見学してみて
新宿山吹高校の校内を夕方の時間帯に見学させていただいた。
・校舎は築30年以上経過(ボロボロではないが、バブルの頃に作ったんだな、という感じ。トイレは和式もあって古い)。
・多少年季がはいっているものの、温水プールが完備されていたりと、設備はしっかり揃っている。
・科目によっては、小人数制で授業が受けられる。
・生徒のみなさんは、私語もなく真面目に授業を受けていた。
学校見学を案内してくれた先生のお話
・新宿山吹高校では難関大学に合格する人も多い。難関大学を志望するならばしっかりとサポートします、とのこと。
・しっかりとした授業をしていただけると感じた。
新宿山吹高校に向いている人
・自己管理ができる人
時間割を作るのもすべて自分。自己管理できる人に向いている。
自分で時間割を作れるので、一般の高校生がふつう活動できない平日の昼間などに自分の興味がある活動をすることも可能。時間が自由に使えるのは、すごく大きなメリットだ。工夫次第で、ふつうの高校生が活動できないことに時間を使える。うらやましい。
・自学自習ができる人
教科書や参考書を見ながら自分で勉強をすすめられる人は新宿山吹に向いている。優秀な人ほど時間に縛られず自分のペースでどんどん学習が進められるから快適に過ごせるだろう。
・同調圧力が嫌いな人
「運動会や文化祭などの行事にはできるだけ参加したくない」・「一人で行動するのが性に合っている」・「中学校での同調圧力の強さに参ってしまった」という人には新宿山吹は向いていると思う。
・繊細な人
「他人の感情が分かってしまうのがつらい」ので、不特定多数の人から距離を置きたいような繊細な人には新宿山吹は向いていると思う。
新宿山吹高校に向いていない人
・自己管理ができない人
・所属意識が強い人
全日制普通科の高校にはたいてい個人のロッカーがある。
けれども、新宿山吹は個人ロッカーがないそうだ。授業ごとに荷物を持って教室を移動するのだ。新宿山吹は極力「同調圧力を排除する」方針なのだ。
「クラスの団結」が好きな、所属意識が強い人は新宿山吹に向いていない。新宿山吹は「クラスに所属する」という概念が薄いので、それを寂しく思う人は新宿山吹は合わないと思った。
ただ、部活動はあるので、部活動をとおして友人を作ることは可能だ。
まとめ
噂によれば、新宿山吹高校には、難関中高一貫校が水に合わずに転校してくる生徒が多いらしい。
新宿山吹高校は知る人ぞ知る「中高一貫校生の受け皿的存在」なのだ。
中学受験の闇の部分を垣間見た気がした。
でも、こういう都立高校がある、ということだけでも知っておいたほうがいいと思った。
なぜなら「進学した高校が水に合わない」ことは誰にでも起こりうるからだ。
なお、都立の単位制高校(定時制)の中では入試の難易度は新宿山吹高校が突出している。不登校が増えている昨今、新宿山吹高校のような都立高校がもっと存在していてもいいと思う。