都立高校:男女別定員の緩和に思うこと(続き)

少し前、都立高校:男女別定員の緩和に思うことという記事を書いた。

一部の都立高校では女子の受験倍率が2倍前後になっているため、男女別定員を緩和して女子の合格者数を増やしているのだ。

前回の記事(都立高校:男女別定員の緩和に思うこと)でも書いたとおり、東京都の高校受験では、成績中位以上の女子が受験できる高校が少ない。

首都圏で高校受験で生徒募集する共学の大学付属校は多くはないがそれなりにはある(早実・早大本庄・中大付属・中大杉並・明大明治・法政・ICU・青学・成蹊・成城学園・玉川学園など)。

高校受験で生徒募集する男子校もぼちぼちある(早大学院・慶應・慶應志木・桐朋・学習院・立教池袋・城北・佼成学園など)。

けれども、高校受験で生徒募集する女子校は少ないのだ。首都圏にある女子校の多くが完全中高一貫校に移行してしまったためだ。

都知事が女性の活躍を後押しする気があるのならば、都立高校の女子の募集人数を増やしてほしいなあと思う。

中学受験はそれなりの経済力がなければできないのだから。

 

男女別定員の話

都立高校の男女別定員の緩和に関連して、過去の都立高校の定員にまつわる話について今日は触れる。

私が都立高校に通っていた頃は、男女の定員が2:1と、男女比に偏りがある都立高校がまだまだ残っていた。

ご承知の方も多いと思うけれども、都立高校で歴史が古い高校は昔は男子校・女子校(いわゆるナンバースクール)だった。このため、元男子校である都立高校は共学化した後でもしばらくは、男子校だった名残で女子の定員が少ない状態が続いた。

私が都立高校に通っていた当時「男女比が偏っている都立高校も、ゆくゆくは男女の定員を1:1にする」という話が議員から出たと教師が憤慨していたのを当時聞いた。

「男女比を1:1にするなんてとんでもない。女子が増えると進学実績が落ちる」と一部の教師は授業の際に堂々と話していたのだ。

今だったら女性差別で問題になる発言だ。

しかし、当時は都立高校の教師が教室で堂々とこんな差別発言をしていたのである。

ただ、当時は大学進学率すらまだ男女差があった。

だから「女子が増えると進学実績が落ちる」と教師が言ってもその通りだ、仕方がないと私自身も思っていた。

 

女子が多いと進学実績が落ちるのか

しかし、今もこれと似たような話が話題にのぼる。

「共学校だと女子がいる分、進学実績が落ちる」

「女子は現役志向が強いから、より高い目標のために浪人せずに現役で進学することが多いのが残念」

というように。

本当にそうなのだろうか?

各都立高校は男女別に進学先を調べて検証してもらいたいものだ。

女子は現役志向が強くて、第1希望を諦めて浪人せず現役で進学することに否定的な見方もある。

けれども、高校卒業時点の精神的成熟度は一般に女子のほうが男子よりも断然高い。

精神的自立度が高い女子のほうが、現役で進学し一足早く卒業し、一足早く世の中に出ても社会人としてうまくやっていける可能性が大きいと思う。

今までは男女が同じ試験を受けて同じ時期に卒業して同じ時期に就職するのが当たり前だったけれども、女子には女子の人生設計があるんじゃないかとこの年になって思う。

男の人に合わせて男の人と同じようにやる必要はない。

女性こそ、好きなことを好きなやり方で楽しんでほしいと今は思う。

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