高校受験・業者テスト【普通に復活】

1990年代初めまでは、公立中学では業者テストが「堂々」と実施されていた。

当時中学生だった私は、中1・中2では年3回、中3では年5回ほど、業者テストを授業中に受けた記憶がある。

業者テストの結果には「偏差値」がばっちりと表示されていた。

三者面談で内申書と業者テストの結果を参考にして志望校が決まったと記憶している。

ところが1994年の入試から公立中学から業者テストを追放する通知を文部科学省が出したため、志望校決定の際に業者テストの結果を利用できなくなった。

1993年の文部科学省による通知は今もネット上で閲覧することができる。

 

業者テストをやる公立中学もある

業者テスト廃止の経緯を知っていたので、公立中学では業者テストがないのかと思っていた。

ところが、長男が通った公立中学では年3回、業者テストを受けさせられた。

業者テストをやる公立中学が今はあるのだ。

「偏差値を使わない」ことが重要なのだろうか、業者テストの結果(偏差値)の代わりに、業者テストの結果に基づいて「〇〇高校を受験する際の予想得点は〇〇〇点です」という報告を公立中学からもらった。

1993年の文部科学省による通知では「中学校は業者テストの実施に関与することは厳に慎むべきであり,授業時間中及び教職員の勤務時間中に業者テストを実施してはならない」とあるのだが、この通知は完全に無視されてしまっている。

 

中学「外」の業者テスト

文部科学省が1993年に公立中学での業者テストを廃止したのは、偏差値による受験生の輪切りを防ぐだけでなく、業者テストの結果をもとに中学と高校との間で取引が行われることを防止するためだったそうだ(前川喜平/寺脇研「これからの日本、これからの教育」)。

ところが、公立中学「外」で行われる業者テストの結果は、今では高校入試で堂々と利用されている。

私立高校の学校説明会や個別面談では、『公立中学「外」で行われる業者テストの結果を持ってくれば入試で考慮する』という話が出た。

中学「外」で行われる業者テストは、受験生の実力を測るうえで内申点よりも精度が高いと私立高校側はみていると感じた。

1993年の文部科学省による通知にある「高等学校は,業者テストの実施者はもとより,学習塾に対しても資料の提供を求めたり,保護者や生徒から業者テストの偏差値等を求めたりするようなこともあってはならない」は事実上、無視されてしまっている。

この状態は無視されたままなのだろうか。

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