中受はうらやましい?

私には長男と同じ年の姪がいる。

姪も長男と同じく、中学受験しないみたいだ。

わたしの妹に聞いたところ、姪は中学受験する友だちを羨ましく思っているようだ。

姪の友だちの多くは中学受験する。

姪が住む地域は、都内でも中学受験率が高い地域のひとつだ。

姪が住む地区に通う小学生は中学受験して当たり前。

特に成績が真ん中以上であれば普通は中学受験する。

今回の記事は、中学受験をうらやましいと思う女子に送るエールとして中学受験しないメリットを取り上げる。

 

小学校時代の思い出「中学受験する友人」

私も小学校時代、中学受験する友だちをカッコいいと思っていた。

当時、首都圏で中学受験する小学生の多くは「四谷大塚」に通っていて、「四谷大塚テキスト」と呼ばれる参考書を使って勉強していた。

中学受験する友だちの家に遊びに行ったとき、友だちが四谷大塚で使っている参考書を見せてくれた。

この参考書は、中学受験しない私にとっては内容がとても難しかった。

そして、そんな難しいテキストを使って勉強している友だちをカッコいいと思った。

 

準会員と正会員

中学受験する予定の同級生たちは毎週日曜日に四谷大塚に通っていた。

聞くと、成績が極めて良い人が「正会員」で、それ以外が「準会員」らしかった。

でも、私から見ると、四谷大塚の準会員でも十分に頭が良い人たちばかりだった。

私から見ると成績が十分良いのに、何で「準」会員なのだろうかと思っていた。

実際、準会員だった友だちで、いわゆる御三家と呼ばれる女子中学校に進学した人が何人もいた。

40年近く前は都内で中学受験する人はまだそれほど多くなくて、高校受験する子どもが多数派だった。

私が通っていた小学校は、その当時としては中学受験する子どもが多い地域だった。それでも中学受験する子どもはクラスの1割~2割くらいだったと思う。

それが今では、都内では地域によっては中学受験率が8割近いというから驚く。

 

 中学受験でしか入れない学校

ご存知の方も多いと思うが、首都圏では昔よりも中高一貫校が増えている。

高校からの募集を一切しない完全中高一貫校も少しずつ増えてきた。

特に女子については昔から高校受験できる良い学校が少ないと言われてきた。

それが高校からの募集を一切しない完全中高一貫校が増えたせいで、女子が高校受験できる学校がますます少なくなってしまった。

たとえば、

桜蔭女子学院雙葉の都内女子御三家

白百合聖心女子東洋英和東京女学館共立女子昭和女子大付属香蘭普連土学園跡見などの古くからの完全中高一貫女子校

・30年以上前は高校募集をしていた、学習院女子豊島岡女子吉祥女子晃華学園富士見大妻大妻中野などの女子校

渋渋洗足学園などの難関共学校

は高校募集を行っていない(豊島岡女子は2022年度から高入停止)。

要するに、名の知られた女子校の多くは高校から入学できないのだ。

 

中学受験しないメリット

上記の完全中高一貫校の出身であることは一種のステイタス的雰囲気がある。

なぜなら、義務教育である公立中学の出身者は、中高一貫校に高校から入学できないのだから。

小学生の時点で親のサポートを受けずに自分ひとりで中学受験をする子どもはまずいない。

それでは、特に女子にとって、受験できる高校が少ないというデメリットを上回るような「中学受験しないメリット」はあるのだろうか?

 

中学校の教育課程をじっくり勉強できる

多くの中高一貫校では、中学校の教育課程を2年~2年半で終了させて、中学校の途中から高校の教育過程の勉強が始まる。

この学習スピードについていけない子どもがたくさんいる。

勉強についていけないストレスから、精神的につらくなったり勉強に身が入らなくなる生徒も多い。

進学実績が良い・家庭環境が良い家庭が多いなど、中高一貫校の良い面ばかり宣伝されるが、負の面が存在することを忘れてはいけないと思う。

一方、公立中学に進学すれば、少なくとも中学校内では先取り学習に振り回されずにじっくりと勉強できるのは大きい。

受験に追い立てられない時間を過ごせるのは、長い人生を考えると意外と大切だ。

 

中学校の教育課程の内容をしっかり身に着けた状態で高校に入学できる

中学校の学習内容を確実に定着させるためには、高校受験は効果的だと思う。

受験には負の面ばかりでない。

受験にはメリットもある。

受験のメリットのひとつは、高校受験を経験することによって、中学校の学習内容をしっかりと身に着けられることだ。

人間、危機感を持って取り組むときのほうが能力を発揮できるものだ。

中学の学習内容をしっかりと身に着けたうえで大学受験することは子どもにとっても負担が少ない。

 

多様なバックグラウンドを持つ人と接することができる

基本的に、高い学費を納入できる資金力がある家庭の子どもしか入学しない私立中学と比べて、公立中学は義務教育なので、いろいろな家庭の子どもたちが在籍している。だから色々な価値観の人間と交流できる。

裕福な人たちだけを相手にする仕事は限られる。

医師や弁護士だって、色々な職業の人を相手に仕事をすることがほとんどだ。

公立中学出身であれば、公立中学で相手に応じた対応をするという処世術を見に付けている点で有利だ。

 

心身ともに成長著しい時期(思春期前半)をゆったり過ごせる

特に女子であれば、高校受験を迎える中3までにほとんどの子どもで思春期を迎える。

思春期が到来すると、体のホルモンバランスがそれまでと大きく変わるので、心身ともにバランスを崩しやすい。

そんな中、高校受験が始まるまでは大きなストレスがかからずに過ごせるのは大切なことだと思う。

中学生は心身の成長が著しい時期だから、ただでさえバランスを崩しやすい。

高校受験が本格化するまではゆったりと過ごせることは、心にも体にも良い。

女子の場合、高校受験を迎える中3には思春期による急激な心身の成長がひと段落している場合がほとんどだろう。

高校受験の場合、心身の成長がひと段落したあとの落ち着いた状態で受験を迎えられるというメリットがある。

高校受験からでも入学してエンジョイできる高校はそれなりにある。

中学受験しない女子の皆さんには、中学生時代をまったりと楽しく過ごして下さい。

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