公立中学のPTA役員を引き受けたくない理由

たいていの公立中学にはPTAがある。

その点で公立小と同じだ。

見ていると、公立小PTAの役員経験者がそのまま公立中学のPTA役員をやることが多い。

もともとPTA役員の活動が好きな人・公立小PTAでの役員実績を買われた人が公立中学のPTA役員になる。

 

わたしは公立中学のPTA役員は引き受けたくない。

公立中学のPTA役員になるのは、公立小のPTA役員になるよりもずっとご遠慮申し上げたい。

もともとPTA独特の雰囲気があまり好きではないのに加えて、公立中学には独特の重苦しい雰囲気があるからだ。

 

公立中学の「内申点」は生徒だけでなく保護者にも足枷(足かせ)になっている。

内申点のせいで公立中学は自由にモノを言えない雰囲気がある。

 

公立小の保護者会では自由にモノを言えたのに、公立中学に入ると保護者会はお通夜のような雰囲気である。

本当は、こどもたちの学習環境を改善するために学校の仕組み(たとえばクラスの少人数化や学年担任制)などをPTAで提言できればいいけれども、そういう案が公立中学のPTAで出されることはまずない。

学校運営に関する提言はPTAではご法度だからだ。

 

「学校の仕組みについて提言する」なんてことは学校側に挑戦状を送りつけるようなものだ。

そして「楽しく和気あいあいとPTA活動をしたい」ほかの役員からは疎まれる。

「せっかくPTA活動をやるならば何か意義のあることをやる」よりも「みんなでいっしょにやることが大好きな」PTA役員が多い。

 

公立中学でPTA役員を引き受ければ、PTA業務で中学に行く回数も増え、先生方とも顔見知りになり、先生方との距離が近くなる。

公立中学のPTA役員を引き受けることは、少なくとも、我が子の内申点にマイナスにはたらくことはないだろう。

 

ただ、PTA役員を長く続けていると、学校の先生方とも親しくなって、学校側のスタンスで物を見るようになる。

たとえば、先生方からオフレコで学校や保護者(例:クレーマー保護者について)の情報をもらえたりする。

そうなると、「学校に文句を言う保護者」=「先生方の負担を増やすバカ親」みたいに、学校側にたてつく保護者を否定するPTA役員になる。つまり「学校側のスタンスで物を見るPTA役員」が出来上がる。こうなると、保護者代表じゃなくて学校側代表としてのPTA役員である。

 

うるさいPTA役員を味方につければ学校側はしめたものだ。

PTA役員と学校が仲良しグループになる。結果として、公立中学にモノを言う人はいなくなる。

だから公立中学は旧態依然としたまま変わらないのだ。

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