最近HSP(Highly Sencitive Personの略、とても繊細な人間)という言葉を、
巷でみかけるようになっている。
芸能人がHSPという言葉を使っているのも耳にする。
「僕はHSPだから」なんて聞くと、ちょっとカッコいい印象すらある。
5人に1人がHSPらしい。
だからHSPはちっとも珍しくない。
人間を「敏感」、「ふつう」、「鈍感」に3つに分ければ、
それぞれ3分の1ずつだ。
「5人に1人がHSP」=敏感な人(全体の3分の1)のうちの半分の「さらに敏感な人」がHSP、
ということになる。
そうならば、HSPは特別な人ってわけではない。
どこにでも居る人だ。
だから、あまりHSP、HSPと騒がないほうが得策かもしれない。
不登校予備軍
ところで、
2018年に日本財団が公表した「不登校傾向にある子どもの実態調査」の結果は、
学校関係者をはじめとする教育関係者に衝撃を与えた。
このアンケートは学校ではなく、
「中学生~満22歳までの子どもたちに対して行われた」
という点で画期的だ。
不登校とは「年間30日以上欠席していること」と定義されている。
つまり、学校をちょくちょく休んでいても、
年間の欠席日数が30日未満である生徒は不登校とはみなされない。
でも年間30日以上欠席していなくても、
学校を定期的に休む子どもはたくさんいる。
上記アンケートによれば、
年間30日以上ではなくても学校をちょくちょく休む子どもたちや、
学校を休んでいなくても、学校に行きたいと思っていない子どもたちを不登校予備軍としてカウントすると、
実に約10%の子どもが「不登校予備軍」・推定33万人いることがわかったそうだ。
一般に、中学生の約3%が不登校であるといわれている。
不登校・不登校予備軍と合わせると実に約13%である。
この数字を見ると、
不登校・不登校予備軍の割合(約13%、7,8人に1人)は、HSPの割合(5人に1人)と結構ダブる。
もちろん、直ちに不登校=HSPではないものの、
学校が面白くないと思っているHSPは相当数いると思う。
学校や家庭に問題があるというよりも、
「約2割の人間は学校という環境が合わない」と思っていたほうが気が楽だ。
だからこそ、そのことを理解し、
なんらかの方法で子どもを補ってあげる必要があるし、
無理に学校を好きにならなくても良いと思う。
アンケート結果で興味深かったこと
ちなみに、上記アンケート結果で興味深かったことは以下の2点。
1.不登校または不登校傾向の子どもたちにとって「自分の好きなことを突き詰めることができる」環境が、学びたいと思える場所としてトップ
→「自分の好きなことを突き詰めることができる」環境が今の学校にはないということだ。
2.「離婚歴あり」と「親自身も不登校経験あり」は不登校または不登校傾向にある子どもの親に多くみられる
→私は不登校経験者ではないが、学生時代は学校が面白くなかったから、不登校予備軍だったということだ。この点で、同じく不登校予備軍である長男と共通する。