公立中学の保護者というもの

都市部の公立中学は「中学受験」という特有の事情に大きな影響を受けている。

都市部の公立中学は「一癖ある」のだ。地方の公立中学よりもずっと。

このことに気づいている人は気づいている。けれども、きっと、気づいていない人のほうが多いと思う。

都市部の公立中学は、生徒の属性が非常にいびつだ。

我が家の周辺では、上位~中位の成績をとる約半数のこどもが中学受験する。その結果、公立中学に通うのは、小学校での成績が上位~中位だった層(およそ3割)と、小学校での成績が下位だった層(およそ7割)である。

ゆえに、都市部の公立中学では学力は二極化している

定期テストの英語・数学では、平均点が60点の場合、80点以上をとる3割の生徒と、0~50点しかとれない7割の生徒で構成される。

公立中学で長男が受けた定期テストの成績分布をみると、学力がはっきりと二極化しているのがよくわかる。

こんな属性を持つ生徒たちに平均的なレベルの授業をしても、成績上位層にとっては退屈であり、一方、成績下位層にとっては難しすぎて理解できない。

長男が通った公立中学では、課題内容も授業も成績上位層寄りのものだった。

結果、成績下位層の生徒は授業内容が理解できず、解答丸写しで課題(ワーク類)を提出するのが常となる。

公立中学に通う生徒の属性のいびつさをあらかじめ知って危機感を持った保護者は公立中学にさっさと見切りをつけ、中学受験に走る。

「上の子が公立中学に通って懲りたから下の子は中学受験する」家庭が多いと聞いていたが、本当にそうだった。

我が家の隣家も正にそのパターンである。

我が家もそうなる可能性が高い。

 

公立中学の教育内容に違和感がない保護者

ところが、わが子を公立中学に通わせていても、公立中学の教育に違和感がない保護者も結構(かなり)多い。

公立中学で課されている宿題や授業内容について、このタイプの保護者に話をふっても、興味がないことがほとんどだ。

「え~そうなんですか?」という回答しか返ってこない。

でも、親が教育に興味がなくても、こどもたちはすくすくと成長し、自力で高校受験を乗り越えていく。

むしろ親は教育に過干渉でないほうが子どもは自立するという点では良いと思う。

ただ、公立中学の問題点について大半の保護者が認識していないため、変わらないままずっと放置される

 

都立上位校を狙う保護者

公立中学での教育内容に興味がない保護者は人畜無害で、ほかの保護者に攻撃をしかけてくることがないから、いい。

一方、公立中学には、教育熱心で都立上位校にこどもを通わせたい(高い内申点をとらせたい)と思っている保護者が一定数いる。

このタイプの保護者はたいていPTA活動に熱心で学校に入り浸っていることが多い。PTA役員をやっていて校長・副校長などの管理職と懇意だったりする。

このタイプの保護者は「授業を乱す問題児は迷惑」・「うちの子は真面目にやっている」というスタンスである。その一方で、このタイプの保護者は、大量の作業的課題を黙ってこなすことを要求してくる公立中学のスタンスについては案外、違和感を持っていないことが多い。

思うに、わたしと価値観が合う保護者は公立中学には居ないのだ。

次男がこのまま公立小から公立中学に進んだ場合、理解しあえる保護者はおそらく、いないだろう。

そして、おそらく次男も、話が合うこどもは公立小に比してぐっと減るだろう。

そうなると、やっぱり、次男は公立中学に進学しないほうがいいんだろうな、と思う。

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