先日、東京都教育委員会による、
公立小中学校に在籍する小5・中1・高1の児童生徒全員に対する、
スクールカウンセラーとの全員面接について取り上げた。
スクールカウンセラーとは、
その名の通り「学校でカウンセリングを行う人」だ。
スクールカウンセラーは、
子どもや保護者からの相談内容について職務上秘密を守る義務(守秘義務)がある。
スクールカウンセラーの応募資格は自治体によって多少異なるが、
臨床心理士・公認心理師・精神科医がスクールカウンセラーの応募条件である自治体は多い。
公認心理師と精神科医は国家資格なので、
それぞれを規定する法律によって守秘義務が課されている。
ただ臨床心理士は民間資格なので、
臨床心理士という資格に基づく法律上の守秘義務はない。
そこで、スクールカウンセラーの守秘義務はどのような法律がもとになるのか調べてみた。
スクールカウンセラーの守秘義務
2 スクールカウンセリング制度の概要 文部科学省によると、
スクールカウンセラーの身分は、地方公務員法に規定する非常勤嘱託員(特別職)であり、
スクールカウンセラーには地方公務員としての守秘義務が課されている。
具体的には、スクールカウンセラーの設置要綱の第5条に、
- 法令遵守の義務、上司の職務上の命令に従うこと
- 信用失墜行為の禁止
- 秘密漏洩の禁止(公務員の守秘義務)
- 職務への専念
が規定されている。
上記規定によれば、
スクールカウンセラーは上司(学校管理職)の職務上の命令に従うことが求められ、
スクールカウンセラーの外部性・中立性は担保されていない。
これでは、
学校側とこじれてしまった事案を生徒や保護者がスクールカウンセラーに相談しても、
結局は、学校側に都合が良いように問題をすり替えられる可能性があるということだ。
法律上、スクールカウンセラーの外部性・中立性は担保されていないということを、
どれくらいのスクールカウンセラーが認識しているのだろうか。
上述の2 スクールカウンセリング制度の概要 文部科学省には「他の場所で正当な理由なく学校や教育制度の批判を行ってはならない 」等と、なかば警告のような文言が掲載されている。
やはりスクールカウンセラーというのは立場上、
子どもファーストが許されないということかもしれない。