高齢者が書くメール文と認知機能

最近、叔父(母の弟)からCメールが送られてきた。

母は最近叔父とあまり連絡をとっていなかったので、
叔父が心配してメールを送ってきてくれたのだ。

叔父からのメールには
差出人も宛名(母の名前)も書いてなかった。

メール文だけ見ても、
誰から誰に送られたものなのかよく分からないし、
母は、叔父の携帯電話の番号を知らなかった。

ただ、Cメールの発信元の電話番号の下4ケタが、
叔父の家の固定電話の下4ケタと同じだった。

それで、Cメールの送信元は叔父ではないかと思い、
母が叔父の家に電話したところ、
叔父からのメールだったと判明した。

こういうやり取りがおきるのも「高齢者ならでは」だ。

 

今の高齢者

叔父はもうすぐ80歳だ。

母は携帯(いわゆるガラケー)を持っている。

けれども、母はEメールサービスを利用していない。
だから、叔父が気を利かせてCメールでメールを送ってきた。

母はメールを使わずに一生を終えるのだろう。

今の80代の中にはメールを使ったことがない人が多いし、
今の90代以上の高齢者はメールを使ったことがない人が大半だろう。

対照的に、
今の70代の高齢者は今までメールを使ってきた人も多いし、
スマホを所有してLINEに参加している人も多い。

 

高齢者が書くメール文の特徴

今まで私は高齢者が書いたメール文を読んだ経験がなかったので、
叔父が書いたメールを興味深く読んだ。

個人差があると思うけれど、
叔父が書いたメール文を見ると、
誤字脱字が多く、子どもが書いた作文のような感じだ。

話し言葉については問題ない高齢者は多い。

けれども、
書き言葉となると別だ。
ふだん文章を書いていないと、
滑らかな文章が書けなくなるようだ。

後期高齢者である叔父が書いたメールの誤字脱字には
「しゃ・しゅ・しょ」や「きゃ・きゅ・きょ」などの拗音の誤用が多い。

亡くなった実父も生前、
話し言葉では間違うことはなかったが、
書き言葉になると「しゃ」と「しゅ」を混同していた

叔父も実父もいわゆる認知症ではない。

でも高齢になると、
自然な老化現象として、
書き言葉において拗音の使い分けが難しくなる
ようだ。

その一方で、
これから高齢者になる世代はスマホやPCを長年使いこなしている人が多いので、
高齢になっても正しい文章を書ける能力を維持できるのかもしれない。

叔父は長年商売を営んできて、
文章を書く機会は仕事上そう多くなかった。
だから、80歳近くになって誤字脱字が多くても致し方ないと思う。

誤字脱字があっても、
叔父は母を心配してメールを送ってきてくれた、その気持ちが嬉しい。

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