魅力的な私立高校が少ないという問題

わが家の長男は現在小6
高校受験までまだ4年近くある。

だから今は切羽詰まって受験する高校を探す段階ではない。

今は、どんな私立高校があるのか、軽い気持ちで調べている。

けれども、ふ~。

東京都内には高校から入学できる魅力的な私立高校って本当に少ないよなあ
というのが私の今の正直な感想。

魅力的な私立高校が少ないのは、都内だけではないかもしれないけれど。

もちろん名門校と呼ばれる有名私立校が都内にはたくさんある。

名門校というのは、進学校か、有名私大の付属校だ。
そういう名門校は伝統があって、
建学の精神が受け継がれていて魅力的な学校も多い。

ただ、我が家の長男は成績が良くないので、
当たり前だが名門校には入れない可能性が高い。

だから、魅力的な私立高校が少ないという私の感想は、
名門私立校以外の一般的な私立高校についての感想である。

 

私立高校が魅力的でない理由1:特進クラスの設置

長男は成績が良くないし、だらしないから内申がとれない可能性が高い。
内申がとれないと都立高校は厳しいだろう。
都立高校が厳しいとなると、
私立高校に進学するしかなくない。

私自身もずっと都内で小中高と過ごしてきたので、
都内の私立高校について少しは情報を持っている。

 

昔は男子校・女子校だらけだった

私が中学生・高校生の頃は、
私立高校は男子校・女子校というのがやたら多く、
共学校のほうが圧倒的に少なかった

それに、わたしが中高生だった当時は、
都立高校全盛ではなかった。
経済的な理由で都立高校を選ぶ人は多かったけれども、
今よりまだ経済的に余裕がある家庭が多かったのだろう、

名門校でない(と言うと申し訳ないが)私立高校を選ぶ人も多かった。

それが今では、少子化で生徒を確保しなければならなくなった。
だいぶ前から、
男子校・女子校という伝統を壊して共学化する私立高校が増えてきた

今では男子校・女子校のほうが共学校よりも数が圧倒的に少ない。

 

 特進クラスの設置

そして現在、多くの私立高校で「特進クラス」を設置している。

主に名門校を中心として特進クラスを設置していない私立高校もある。
けれども、東京都内ではかなりの割合の私立高校で特進クラスを設置している。
大学付属校でも特進クラスを設置している私立高校がある。

何か特色をもっていないと私立高校は生徒が集まらないというのはよく分かる。
確かに、
昔から「スポーツコース」「音楽コース」等のコース別を採用している私立高校もあったが、
コース別を採用しているのはごく一部だった。

「特進クラス」で特待生になれば学費が無料になることを謳っている私立高校も多い。

優秀だけれども生活が困窮している家庭の子どもは、
私立高校で特待生をとれば、
家計は助かるし、整備された環境で勉強できるというメリットも大きいのは確かだ。
だから、特待生制度はあったほうがよいと私も思う。

けれども、私立高校の特進クラスには良い先生があてがわれて学費が無料になる一方で、通常クラスは高い学費を払って「それなり」の先生がつけられるのであれば、一般クラスの家庭が特進クラスの子どもの学費を負担しているようなものである。

学校側からすれば、私立は商売で学校を運営しているのだから、同じ学校にいて待遇に差があるのは私立だから仕方がない学校の売りになるような生徒を集めないとやっていけない、という論理だろう。

この論理からすれば、
私立高校では、抜きんでた才能がない生徒は待遇が悪くても仕方がない

しかし、高い学費を払っているのに生徒の待遇に差があるのは、やっぱり嫌だ。

同じ学校に通っているのに待遇に差があると、学校全体に良い連帯感など生まれないし「同期の桜」という気分にはなれない。

高い学費を払ってもそのお金が立派な施設建設に回ったり、学校が力を入れている部活の運営費に回ったりしても、私立である以上、何も言えない。

残念ながら、進学したいと思えるような魅力的な私立高校が少なすぎる
だから、長男にはできるかぎり都立高校に入ってもらいたい

 

私立高校が魅力的でない理由2:建学の精神が崩れている

東京都内にある私立高校(普通科)のうち結構な割合が、
昔は「商業高校」・「裁縫学校」・「保母さん養成校」etc、
つまり「職業訓練校のような高校」だった高校だ。

私立高校のホームページを見ると、たいていは「学校の沿革」が記載されている。
「学校の沿革」を見ると、たとえば、現在は普通科だが昔はそろばん学校だった、
ということが分かる。

ただ、昔、どういう学校だったかを触れられたくないのだろうか、
学校の沿革についてはホームページでかなり簡潔に説明している私立高校も多い。

昔はそろばんや裁縫を身に着けて高卒で就職するという流れがあったので、
そのような学校のニーズがあった。
バブルの頃くらいまでは、
「商業高校卒で信用金庫に就職→寿退社」というようなルートが確かにあったから。

けれども「高卒で良いところに就職」というルートが少なくなり、
職業訓練校のような高校ニーズがなくなった。

学校に対する世間のニーズが変わってしまったのだ。
だから多くの私立高校で建学の精神が崩れてしまっている。

たとえば「しっかりとしたお裁縫の技術を持った真面目な職業婦人」を育成することが教育目標だったのに、「語学力が高くて世界に通用するグローバルな人材」を育成することが教育目標に変わらざるを得なくなっている。

このため、私立高校は進学実績を上げて進学校化するのに懸命だ
だからこそ、私立高校は「特進クラス」を設置して、進学実績を上げようとする。

「特進クラスで進学実績を上げる→一般クラスにも優秀な生徒が入ってくる→学校全体で進学実績が上がる→進学校化を達成できる」ことを私立高校は期待しているようだ。

過去にそのような手法で進学校化できた私立高校を真似ているのだろう。
そういう手法を取り入れるよう外部コンサルタントからアドバイスされる私立高校も多い。

でも、全体の8割の私立高校が同じこと(=特進クラスの設置)をして、
果たして進学校化できるのだろうか、見ものだ。

それに、学校の体質が急に変わることは難しいと思う。
進学実績を売りにしていても、
学校の体質が商業高校の頃のままの私立高校が進学校化できるのだろうか。

 

では我が家はどうすればよいのだろうか?

わたしの結論としては、
「特進クラスを設置している私立高校の一般クラスに入学することは得策ではない」
ということ。

それではどうすればよいか。解決策は3つ。

その1:都立高校に入学する。

その2:特進クラスを設置していない私立高校に入学する。

その3:私立高校の特進クラスに入学する。

我が家にとってのベストは間違いなく、その1「都立高校に入学する」だ。

その3「私立高校の特進クラスに入学する」は、
まじめできちんと勉強できてコミュ力が高い生徒ならば悪くない。

けれども、我が家の長男のような発達障害系の子どもは、
特進クラスに入って勉強漬けで良い大学に入って学歴だけつけても、
就職試験を突破してまともな就職口が得られるとは限らない。

だから我が家の長男の場合、
その1:「都立高校に入学する」を第1目標とし、
都立高校がダメなら、
その2「特進クラスを設置していない私立高校に入学する」が現実的だと思っている。

 

でも…都立であれば良いというわけではない

ただ「都立高校であればどこでも良い」というわけではない

長男の成績によっては、
荒れている都立高校しか選択肢がない場合だってある。
そういう場合、
都立高校に行くよりも私立高校を選んだほうがいい場合もあるのは確かだ。

お勉強があまり得意ではない生徒を厳しく躾けることに定評がある私立高校も昔からある。

長男の成績次第では最終的に、
私立高校を選ぶことになるかもしれない。

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