マイペースな長男と保育園

我が家の長男(発達凸凹)は0歳児クラスから保育園に通っていた。

長男が保育園を卒園する頃にしみじみ思ったのは、長男のように気ままでマイペースなタイプにとって保育園はハードルが高い場所だということだ。

もちろん保育園の先生方には大変お世話になった。

保育園の先生方にどうこう言うつもりはない。

けれども、保育園はやはり集団生活をする場所だ。

長男がやりたいことが自由にできる訳ではない。

もちろん最近は、個々の子どもの発達に合わせた保育がなされている(少なくとも、個々の子どもの発達に合わせて保育するように定められている)はずである。

けれども実際、どの程度個々に合わせてくれるのかは保育園によっても保育士さんによっても違うようだ。

 

今思う、保育園に預けなくても良かった

今もう一度長男を赤ちゃんの頃から育てるチャンスがあるならば、0歳児クラスから保育園に入れることはせず、幼稚園に行く年齢までは家庭で過ごしただろう。

3歳になるまでは家庭で過ごして自分のしたいことをさせてあげれば良かったと今は思う。

発達障害児は育てるのが大変!早く保育園に預けたい!という人もいるから、保育園に預けるのは否定しない。

うちの長男は、家庭にいる限りはそんなに育てにくい子どもではなかった。

でも集団生活に入ると長男はあまりにもマイペースだった。

ただ、そんな親の気持ちとは裏腹に、長男自身は保育園生活を思い出して不平不満をこぼすことはない。単に保育園生活をすっかり忘れてしまっただけかもしれないが。

長男はなぜか分からないが、保育園の登園を嫌がることは一度もなかったし、小学校の登校も今まで一度も嫌がったことはない。

「発達障害児はみんな保育園や学校が大嫌い」ではないのだ。

子どもの環境適応能力というのも無視できない。

 

聴覚過敏

保育園や幼稚園を訪れたことがある人ならご存知だと思うが、園の中は常時子どもたちの声がして相当「うるさい」

0歳児1歳児が1つの部屋に入れられれば、泣き声や話し声でうるさいのが普通だ。

こういう環境は聴覚過敏を持つ子どもにとってつらいはずだ。

聴覚に敏感な子どもにとって、他の子どもたちの泣き声や話し声は煩わしいはず。

でも、なぜか、長男は保育園でほかの子どもの声を嫌がったことはない。

この点は不思議だ。

 

触覚過敏

長男は幼い頃は触覚過敏ぎみだった。

今はまったく平気だが、小さい頃は糊みたいにベタベタしたものが嫌いで、手に糊や食べ物がつくとかなり嫌がっていた。

だから長男は小さい頃から手づかみ食べをせず、必ずスプーンを持って食べていた。

そんな触覚過敏の子どもにとって、ズンズン近づいてくる0歳児1歳児の子どもたちは恐怖だ。近づいてきてベタベタ触られたりひっぱぱられたりするから。

だからこそ長男が1歳児クラスの頃は、他の子どもたちから離れてひとりで遊んでいたのだろう。

 

集団行動

他の子どもたちと同じ活動をしなければならないのは、自由過ぎる発達凸凹の0歳児1歳児にとっては苦痛かもしれない。

一方で、ひとりで遊んでいると保育園では放っておかれる。

長男も基本、ひとりで遊んでいた。長男は少なくとも「構って構って」と保育士さんの手を煩わせるタイプではなかった。

長男に対してどの程度保育士さんが関わってくれたのか、今となってはよく分からない。

もし長男が小さい頃、保育園で放っておかれたのならば、家庭で育ててきちんと相手をしてあげればよかったと思う。

 

今思うこと

今は赤ちゃんの頃から保育園に子どもを預けて働くのが当たり前になっている。

そんな中で、長男の頃と比べて今の保育園は色々な点で、発達障害の子どもたちにとってどんどんつらい環境になっていると思う。

つらい環境というと、たとえば、狭い部屋・園庭がない・保育士不足で保育園自体の質が下がっている…である。

部屋が狭かったり、園庭がなかったり、保育士さんの経験が浅かったりすると、感覚が敏感な発達障害の子どもたちにとって保育園という場所がますますつらい場所になる。

こういう事態を療育の専門職の方々はどう考えているのだろう?

今の保育園の環境を療育の専門職の方々が知らないはずはない。

「保育園がどうあるべきか」について専門家からの発信があまりにも少ない

今に始まったことではない、長男の頃からずっとそうだ。

感覚が敏感な発達障害の子どもたちにとって「保育園」という場所がどうあるべきなのだろうか。

 

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