長男が2歳前の頃、長男がちょっと変わった子だと気づいてからの3年間は、発達障害や発達心理学を知るために本を山のように読んだ。
発達障害関連の本は少なくとも数百冊は読んできたと思う。
そこで、臨床心理士、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士など…発達支援という分野のお仕事があることを知った。
当時は「発達支援のお仕事みたいに、こどもたちの能力を伸ばす仕事って素晴らしいな」と思っていた。
一時期は、発達支援の業界に転職しようかとも考えた。
ところが、発達支援施設や放課後デイサービスという業種が流行り出してから考え方が変わった。
発達支援施設や放課後デイサービスで働く職員の人たちの話を聞いていて「こどもにずっと通所してもらわないと経営が成り立たない」ことが分かったのだ。
こどもの能力が下手に伸びてしまうと支援を受けられなくなり、施設に通わなくなる。それは施設にとって困ることなのだ(そういう仕組みになっているらしい)。
そこで働く職員にとって「こどもの能力を伸ばすこと」より「こどもをいかに長く通わせるか」が重要だと私は感じた。
「こどもの能力開発を最優先にできないならば、発達支援の仕事をしてもつまらない」ので、発達支援の仕事に就こうと思わなくなったし、発達障害の業界とは距離を置くことにした。
長男が小学校高学年のときのことだ。
それ以来、私も長男も発達障害業界との関わりはなくなったが、私も長男もそれで特段困ることなく過ごしている。