「同業者を批判しない」ことが掟(おきて)になっている業界は多い。
代表例が「医師」である。
先生と呼ばれる職業はたいてい「同業者は批判しない」暗黙のルールがある。
そんな風潮のなかで、医師の榊原洋一先生は、日本の医療(発達障害など)や教育について長年、本音を語ってくださる。
榊原先生のような重鎮だからこそ、できるのかもしれないが。
もちろん榊原先生は個人を特定して批判しないので、誹謗中傷にはあたらない。
保護者として、榊原先生のブログは「そうだそうだ」と納得することが多い。
榊原先生のブログは、保護者の思いを代弁してくださるような記述が多い。
よくよく考えてみると、発達障害業界でそういう思いを公表してくださる医師は少ない。
榊原先生は貴重な存在だ。
実は、私はずいぶん前(20年以上前)、榊原洋一先生の講演に行ったことがある。
私がその講演を聞いたのは、長男が生まれる前だ。
その講演は、講演会というよりも講習会というほうが適切な、小さな会場での講演だった。
私が行った講演は発達障害専門の講演会ではなかった。
だから、その講演会になぜ榊原先生が呼ばれたのかが今でもよく分からない。
そのとき、榊原先生は発達障害に関する講演をされた。
講演会で榊原先生にお目にかかって、先生がまとっている柔らかくて温かい雰囲気から先生のお人柄が伝わってきた。
長男が生まれる前、まだ発達障害という言葉が世間に認知されていなかった時代に、偶然にも発達障害に関する榊原先生の講演を聞いたのは、何らかの啓示だったと思う。