スクールカウンセラーというのは元来、学校に通うこどもたちのためにあると私は思っていた。
先生や友達に相談しにくいことを相談できる、それがスクールカウンセラーの役目だと思っていた。
スクールカウンセラーを設置した当初は、生徒や保護者が相談できる場所を提供することがスクールカウンセラーの目的だったと思う。
ところが最近はそうでもないように思える。
今の学校現場では、スクールカウンセラーは保護者からの苦情で先生がメンタルを病むのを防ぐ役割として機能しているように見える。
最近は、教師の業務が多すぎることが問題になっている。
以前は、保護者からの相談を受けるのは教師の業務だった。
けれども今は教師の業務量が飽和している。
そこで教師の代わりに相談業務をスクールカウンセラーに任せることになったのだろう。
最近は保護者の立場が強い。保護者からのクレームでメンタルを病む教師が増えてきたこともあって、相談業務は積極的にスクールカウンセラーに任せるようになったのだろう。
保護者からのクレーム処理に対応するスクールカウンセラーが気の毒である。なぜなら「単なるクレーム」なのか「深刻な問題」なのかをスクールカウンセラーがより分けて、深刻な問題については教師の機嫌を損ねないように対応しなければならないのだから。
なによりもまず、スクールカウンセラーが「たらい回し機関」になってしまっているのが気の毒だ。まるでお役所だ。
保護者からの相談が「深刻な問題」に該当するならば、本来は直接、学校に訴えてもよいはずだ。そうしたほうが、トータルに見れば学校にとっても保護者にとっても労力が少なくなる。
分業化したがゆえに、かえって業務量が増えてしまうというのも、よくある話だ。