最近「境界知能」の話題がたびたび取り上げられる。
我が家の長男は「境界知能だった」と思う。
長男が「境界知能だった」というのは、今の長男は境界知能域を脱出したと思うからだ。
IQというのは変動していくものだ。
我が家の長男は発達検査を受けたことがない。だから本当は正確にはいえないけれども…長男が小学生の頃に発達検査を受けたならば、得意と不得意の差が大きい「境界知能域」だったと思う。
長男、中学生までは国語(特に書字)と計算が苦手だった。中学校の定期考査で長男が30点以上取ったことはほとんどなかった。こういったエピソードから判断すると、長男は典型的な境界知能域のこどもだった。
そんな長男、中3で国語専門の先生について勉強するようになってから、成績が伸び始めた。
都立高校の入試では国語で60点をとることができた(入試得点の開示請求をしたので点数は間違いない)。
今では長男、高校の定期考査で60点以上とってくるようになった。
長男は、高校生になってから書字と計算の遅さを克服できた。
長男は、小学生の頃に理解できなかった算数の「割合」を、高校生の今、理解できるようになっている。
境界知能域を脱出する鍵は国語力だと思っている。
でも、焦らなくていい。
中学生・高校生になって理解力が追い付いてくるのを待ってから、小中学校の学習内容を勉強すればいい。
長男の場合、通っていた小学校が必要以上の宿題を出さない方針だったのが良かった。
おかげで、小学校時代、長男は必要最低限の学習だけで済んだ。
小学校時代は、無駄な作業的宿題に追い回されなくてよかった。
境界知能域のこどもたちは、小中学校は基本問題の習得だけ十分だ。今の学習指導要領ではやることが多すぎる。
これまで、境界知能域のこどもたちは適切な教育を受けられなかった。
日本の義務教育では「留年」がない。だから、勉強が分からなくても分からないままで学年だけが上がっていく。
教育システムにもっと柔軟性があればいいのに、と思う。
成績下位の高校の中には、小中学校の復習を高校でしっかりとやらせる学校がある。
境界知能域のこどもたちがそういう丁寧な指導を受けて、小学校レベルの国語や算数を理解したうえで社会人として世に出てほしい。