読書感想「内向型人間だからうまくいく」

読書感想

本書は、ここ数年静かに話題になっている「内向型人間」について完結にまとめられている。

本当にここ数年、HPC(Hyper Sensitive Person)内向型人間に代表される敏感な人・繊細な人の存在が少しずつクローズアップされてきた。

長男も私も内向型人間だ。

本書には「外向型を無理に装う必要はない」「愛想笑いする必要はない」など、読んでいると内向型人間がホッとすることが書かれている。

本書はいわば「内向型人間向けの、心を落ち着かせるための書」だ。

 

内向型人間の特徴

本書に掲載されていた内向型人間の特徴はたとえば以下の通りだ。

マルチタスクが苦手

集中するまでに時間がかかる

強い刺激が苦手

雑談が苦手

エネルギーが減りやすい

興味がないことにはやる気が出ない

短期記憶が苦手だが、長期記憶に優れている

 

内向型人間が快適に過ごすための対策(一例)

内向型人間が快適に過ごすための対策として、以下の点が本書に例示されている。

できるだけ専門性の高い職に就く

業務は同時並行処理ではなく、単一逐次処理で進める

気が散りやすいので集中できる環境を作る

瞑想する

 

内向型人間と発達障害

上のとおり列挙してみると、内向型人間の特性は、発達障害の特性とかなり共通することがわかる。

どこからどこまでが内向型人間で、どこからどこまでが発達障害者か、という野暮な質問はするまい。

もちろん、内向型人間≠発達障害者だろう。

けれども、両者の特徴がかなり共通することから考えて、内向型人間と発達障害者はかなり重複する概念だと思う。

たとえば、内向型人間の一例として本書に挙げられたビル=ゲイツやイチローは、ご本人達からの公表はないものの、昔から発達障害ではないか?と言われてきた人たちである。この方々のレベルくらいに突き抜ければ、発達障害かどうかなんてどうでも良いことだろうけど。

同様に「内向型」という概念はHSP(Hyper Sensitive Person)という概念にも共通すると思う。

本書には発達障害という概念は登場しない。

著者は、発達障害と言う概念を知ってはいても、本書では敢えて使わなかったのかもしれない。

 

「発達障害者」というと、何となく後ろ向きな感じだ。対照的に、「内向型人間」というと、人間の性格のひとつとして受け入れられるように感じるのは私だけだろうか。

いっそのこと、発達障害者と呼ばずに、内向型人間かHSPと表現したほうがいい気さえする。

内向的人間である長男も中学生の頃から「こういう環境の仕事場ならば気持ちよく働けるかも」とイメージすることを積み重ねていけば、将来の「仕事」や「職業」がいつか、ぼんやりと浮かんでくると思った。

とにかく長男には自分の性格を理解し、居心地が良いと思う仕事を自分自身で選択してほしい。

 

内向型人間だからうまくいく

著者:カミノユウキ
出版年:2020年
出版社:祥伝社

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