今回のテーマは「加配」について。
次男の幼稚園探しの際に地元の公立幼稚園を見学してみて、あらためて「加配」について考えさせられた。
長男が保育園児だったとき
我が家の長男は公立保育園と私立保育園の両方を経験している。
公立園でも私立園でも長男は加配枠だった。
けれども、加配の配置の仕方は私立園と公立園ではまったく異なっていた。
私立保育園の場合
私立保育園の場合、長男に加配がついているという感じは「まったく」なかった。
長男とその他数人の要支援児が在籍していたからだと思う。
保育園全体の先生の人数がもしかしたら1人くらい増えているかも、といった感じだった。
長男にくっついてサポートする先生は小さい頃からいなかった。今思えば、長男はそういうサポートの仕方で良かったと思う。
私立保育園側は「通常より手がかかる子どもを受け入れているのだから、その分、補助金を多くもらえる」というスタンスだったと思う。
「加配」という制度が保育園生活を送るうえでの「子ども」の負担を軽くするというよりも、手間がかかる子どもを引き受ける「園」の負担を軽くする目的に使われていたように感じた。
私立保育園では、子どものための「加配制度」でなく、園のための「加配制度」だったと思う。
「〇〇君(長男)が苦手な部分をサポートするよう援助していきます」みたいな話は園側からは一切出たことはなかった。
後で知った話(その1)要支援児はほかにもいた
長男が通っていた私立保育園では、長男のクラスに他にも要支援児が数人いたようだ。
けれども、加配によって保育者が増えているようにはまったく見えなかった。要支援児はどの子も軽度だったからだと思う。
後で知った話(その2)加配のための補助金について
我が家がある自治体では、私立保育園では、加配のために支給される補助金は私立保育園側でどのように使っても良い(支援のために使うのならば)と後で知った。
要支援児に加配の先生をつけるためとは決められていないようだ。
後で知った話(その3)加配をつけて人手を増やしたい
長男が公立保育園に転園する際に役所に行ったときはじめて、長男に加配がついていることを知った。
役所によれば、園が加配をつける際に保護者の同意は不要とのことだ。
ただ、長男が療育機関に通っていることを長男の個人面談で園側に話したところ、いつからどこに通っているかを園からしつこく聞かれた。
どの担任の先生もそういう対応だった。
「療育機関に通っているとの話が保護者から出たら詳しく聞き出すように」と園の幹部から保育士に指示が出ていたのだと思う。
今思えば、園は加配をつけるための申請をしたかったんだろう。
けれども、園でどのような支援が必要なのかの話もまったくなしに、療育機関の話をしたらすぐさま(おそらく補助金欲しさに、加配申請のための)情報収集をしたがる園の体制にはちょっと疑問を感じた。
後で知った話(その4)要支援児が急に増えた
ある時期から急に、長男と同じクラスに要支援児が園にどんどん入ってくる時期があった。
今思えば、加配で補助金が増えることのうまみを知った園長が補助金欲しさに要支援児を受け入れていたのだと思う。
こんなに急に支援が必要な子が増えたら、現場で働く保育士の先生方が大変だろうと見ていて思った。
我が家がある自治体では、公立保育園については、1園ごとに要支援児の受け入れ人数が決まっているのに対して、私立保育園では、園長が了解すれば、要支援児の受け入れ人数に制限はなく、要支援児をどんどん引き受けることができると後で知った。
要支援児を引き受けたくない園も多い
長男が通った私立保育園のように、要支援児の対応にあまり熱心でない保育園・余裕がなくて要支援児を引き受けたくない保育園はやっぱりある。
今は、明らかな障害とはいえないけれど支援が必要な子(いわゆるグレーゾーン)が増えているから、園も対応するのが大変なのはよくわかる。
特に、保育士が不足している現状では要支援児を抱えるのは大変だと思う。
要支援のお子さんが一人でも多く、きちんとした環境の園で過ごせるようになってほしいと思うからこそ、私はこの記事を書いている。
保育園での要支援児の対応は園によって本当にそれぞれだ。
体育指導や音楽指導など、子どもたちに一律同じことを強要する園は、要支援児の支援にあまり乗り気ではないと感じる。そこら辺を見極めて園を選んだ方がいい。
公立保育園の場合
私立保育園とは対照的に、長男が公立保育園に転園してみると、加配の先生がすぐに1名配置されていたので驚いた。
当時、長男はマンツーマンで加配の先生が必要な状態ではなかったけれども、転園先の公立保育園ではすぐに加配の先生を1名増やしてくれた。
公立幼稚園の場合
先日見学した公立幼稚園でも、長男が通った公立保育園と同様だった。
どの程度の支援が必要なお子さんがいるのか分からないが、たくさんの加配の先生方が子どもたちの周りにいた。
長男の転園先の公立保育園での加配の先生のつけ方や、先日見学した公立幼稚園での加配の先生の数の多さを実際にみて、公立園はやっぱり必要だと改めて思った。
地域によって違いはあるとは思うが、私立保育園での受け入れが進まないから、公立幼稚園・公立保育園に要支援児が集まってくるのは事実のようだ。
*2021.6.20追記
実際に次男を公立幼稚園に通わせてみて、加配の配置の仕方が保育園と幼稚園とでは異なることに気づいた。
もちろん、支援の仕方が、支援が必要である程度によって違う、ということもあるだろう。
とはいえ、一概に「加配が多ければ良いともいえない」ことに気づいた。
この点については別の記事(要支援児:幼稚園と保育園のどちらを選んだらよいか)に取り上げた。