東京都は、2021年度から東京都の中学3年生全員に「英語スピーキングテスト」の導入を予定している。
この英語スピーキングテストの結果は2022年度の都立高校の入試に反映させる予定らしい。
2022年度の入試というと、我が家の長男が高校受験する年だ。
東京都は、高校入試に先駆けて、中学3年生全員に「英語スピーキングテスト」を受けさせる予定とでいるらしい。
おそらく、入試がある2月よりずっと前、中学3年生全員が、英語スピーキングテストを学校で受けることになるのだろう。
内申点と同様に、英語スピーキングテストの結果は都立高校入試に反映されるらしい。
2019年現在、入試でのスピーキングテスト結果への配点は不明だ。
この「英語スピーキングテスト」は東京都が業者に民間委託して実施される。
現在、東京都は民間委託する業者を公募している。
なぜ東京都が「英語スピーキングテスト」を実施する予定なのかというと、
都立高校に先んじて、2020年度の大学入試から「英語スピーキングテスト」が課されることが決定していたからだ(2022年1月30日訂正:大学入試への英語スピーキングテスト導入は2022年1月現在見送られている。)
「英語スピーキングテスト」を含む民間英語試験が大学入試センター試験の代わりになることが決まっていた(2022年1月現在、民間英語試験の導入は見送られている)(2021年9月30日追記:2021年現在、民間英語試験は棚上げ状態)。
どの民間英語試験を選択するかは、数多くの英語試験(英検、TOEIC、TOFEL等)の中から受験生が決める予定になっていた。
東京都の「英語スピーキングテスト」は大学入試の「英語スピーキングテスト」を模して行われるのだろう。
国を挙げて「英語スピーキング」能力向上に取り組むつもりのようだ。
その一方で、近年の英語スピーキング重視の政策に対しては、多くの英語専門家が否定的な見解を述べている。
多くの専門家の共通した見解
英語教育に関する最近の書籍をいくつか確認してみると、どうやら、多くの英語専門家の共通認識は、以下の通りのようだ。
・近年の学生の英語能力は低下している。その原因は国語力の低下である。
・近年の英語教育で読み書き(文法)を軽視した結果、英作文が書けない学生が急増している。
・スピーキングに授業時間を割くと読み書き(文法)の習得時間が減ってしまうので、英語力はますます低下する。
・スピーキングテストは採点者の主観が影響する度合いが大きいので、試験の公平性を担保できない。
・スピーキングテストの中身でなく、「スピーキングテストを業者に委託する」こと自体が主たる目的になってしまっている。
参考にした書籍
(1)阿部公彦著、史上最悪の英語政策、2017年、ひつじ書房
(2)鳥飼玖美子著、子どもの英語にどう向きあうか、2017年、NHK出版
(3)南風原朝和編、検証 迷走する英語入試、スピーキング導入と民間委託、2018年、岩波書店
書籍(1)と(3)を読めば、大学入試への英語スピーキングテスト導入の顛末がだいたい理解できる。
書籍(2)はより根本的な英語教育に関する本。小学校の英語教育について知りたい人向け。
スピーキングテストに関する私見
どうやら、民間業者を儲けさせるため、国を挙げて「英語スピーキングバンザイ」政策をとるつもりらしい。
長男は不安・緊張が強いタイプなので、スピーキングはものすご~く苦手だ。
だから長男の場合、練習してもスピーキングでは良い点がとれないだろう。
自閉症・緘黙症・不安神経症・パニック傾向などの人はスピーキングには不利だということが書籍(3)に指摘がある。まさにその通りだ。
うちはスピーキングテストは諦めよう。
「英語スピーキングバンザイ」祭りには乗らずに、今まで通り、地道な英語学習を続けるのが我が家には向いている。