ときたま保育園で働く機会がある。
「発達障害・グレーゾーン児が増えている」と保育の現場では言われている。
ところが実際に保育園で働いてみると、発達障害・グレーゾーン児が激増しているようには見えない。
ちょっと我が強め・ちょっと落ち着きがない・ちょっと言うことを聞かない、といった程度の子ばかりだ。
重いお子さんは早い段階で療育機関を紹介されるから、その園に居ないのかもしれない。
重いお子さんはその園では受け入れを断っているから、その園に居ないのかもしれない。
確かに、こどもたちの言葉の発達は以前よりも全体的に遅くなったように感じる。
でも、言葉が出ないわけではない。
ちょっと不器用かな?ちょっと反応が薄いかな?ちょっと言葉が遅いかな?という程度である。
「特性がある」と言われていた2歳児のお子さん、言葉は早いとはいえないが、言葉が通じるし、ものの名前も理解して話し始めているし、なによりコミュニケーションがきちんととれるのだ。これでもグレーゾーン児なのだろうか。
保育の内容はどうだろうか。
昔の保育園ならば、園庭で自由好き勝手に遊ぶ時間があっただろう。
ところは今は園庭がある園が少ない。
園庭がなくて、近くの公園まで毎日強制的にお散歩に連れ出さなければならない環境に置かれているんじゃないか。
家庭で育っていても、2歳児ならば気が乗らずに公園で遊びたくないと言うのは当たり前だ。
「友だちと手をつないで公園までまっすぐ歩く」ことができない2歳児はグレーゾーン児だと認定されてしまうのだろうか。
早期発見、早期療育と騒ぎ立て過ぎているのではなかろうか。
言葉でのやりとりができて、身辺自立がある程度進んでいるのであれば、そんなに神経質になる必要はないと思うのだ。
ひと昔前ならば、そんなゆっくりなお子さんでも成人して仕事に就くのも珍しくなかった。
言うことを聞かないからといって、がみんなグレーゾーン扱いする必要はないと思う。
