咳止め薬の過剰摂取について思うこと

若者の市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)が問題になっている。

 

もう30年近く前のこと、私は学生時代、街の薬局でアルバイトをしていたことがある。

当時はバブル絶頂期で景気が良かったから、世の中は浮足立っていて、世相は決して暗くなかった。

それでも当時、市販薬をオーバードーズする人はたくさん居た。

 

私のアルバイト先の街の薬局にも、咳止め薬を頻繁に買いに来る人がいた。

ほかの薬局でも同じだっただろう。

1日に数回、同じ人が咳止め薬を購入しに来る。そして、1回に3箱か4箱の咳止め薬を購入していく。

咳止め薬は当時1箱1000円近くしたので、3箱か4箱購入すると数千円になる。

1か月も続けばかなりの額だ。

 

咳止め薬を1回に数箱購入していく人はおそらく常用者だったのだろう。

常用者が1日に何回も購入しに来るときは、昂揚した表情で店に入ってくるから怖かった。

「芸能人の〇〇が咳止め薬の中毒者で、あちこちの薬局を回って咳止め薬を購入している」という噂が薬局の従業員の間でも広まっていた。

 

当時から業界で咳止め薬常用は問題になっていた。

約30年前ですら、1つの店舗で1回に販売できる咳止め薬の個数を「数個まで」と制限していた。

 

市販薬の過剰摂取の話を聞くたび、咳止め薬よりもタバコのほうが「まし」なんじゃないかと思ってしまう。

もちろん、タバコがもたらす様々な害は重々承知しているからここでは敢えて述べない(私自身は喫煙しない)。昔は1箱100円か120円で買えたタバコも、今は1箱500円・600円もする高価な品である。

でも、市販薬を過剰摂取するより、節度がある一服のほうが制御が利くから「まし」のように思える。

 

市販薬を過剰摂取するより、タバコだけでストレス解消できるならば、それに越したことはない。

若者の喫煙率は減り続けている。

喫煙と入れ替わるように、市販薬の過剰摂取の問題が増えているような気がしてならない。

 

私は決して喫煙を推奨しているわけではない。

要は代替の問題で、市販薬を過剰摂取するかわりに、適度な飲酒・喫煙でストレスが解消できればいいし、運動・ヨガ・瞑想でストレス解消できれば尚、良いと思う。

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