中1ギャップという言葉がある。
中学校入学で環境が変わり、中学校での生活になじめず、不登校になる子どもの存在が以前から指摘されていた。
中1ギャップを解消するために、わたしが住む街の公立小・中学校でも小中連携というのをやっている。
どうやら、小中連携をやるようにとのお上からの指導があるらしい。
小中連携では、小学生が地元の中学校を見学したり、中学の先生が小学校で授業をしたりする。
けれども、小中連携でとても大事なことが小中間で話し合われていないんじゃないかと思う。
それは「都市部では中学受験で半数前後のこどもが、地元の公立中学に進学しない」ということだ。
都市部では、成績が真ん中くらいまでのこどものほぼ半数が中学受験でごっそり抜ける。
公立小に通うこどものほぼ半数が公立中学に進学しないことによる影響は、決して無視できないと思う。
つまり、公立中学に入学した段階ですでに、成績上位層と成績下位層との学力差は大きく開いてしまっている。
新入生の学力分布が最初から「いびつ」なのだ。
それなのに、公立中学は一律に同じ宿題を生徒全員に課す(ところがほとんどだと思う)。
その結果、宿題のレベルが自分のレベルに合っていない生徒が多数発生する。
宿題のレベルを成績に応じて「上」と「下」の2つに分けてほしい。
でも、いまの公立中学は、そういうきめ細やかな対応をしない(ところがほとんどだと思う)。
各人の学力を向上させるため、少なくとも英語や数学のような積み上げ型の教科では、宿題のレベルを変えるといった細かな対応くらいはしてほしいものだ。
一律に同じ問題集を宿題に課しても、成績下位層の生徒は赤ペンで問題集に解答を書き写すだけで、まともに問題を解かない。そんな無駄な宿題を出すよりも、小テストを小分けにして行ったほうが少しは勉強するだろう。