教員不足が深刻化している。
次男が通う公立小でも、産休代用の教員が見つからず担任不在のクラスが出ている。
今年(2023年)の東京都の小学校の教員試験の受験倍率はなんと1.1倍。
受験すればほぼ受かる、ということだ。
教員不足の原因はいくつかあるといわれている。
そのひとつが「特別支援学級の増加」だ。
特別支援学級では「こども8人につき1人の教師」を配置するように決められている。
つまり、特別支援学級が増えれば増えるほど、普通学級よりもたくさんの教員が必要になるのだ。
教員不足の深刻度がどんどん増してしてきたせいか、「特別支援学級の増加=教員不足の原因のひとつ」だと明言されるようになってきた。
この15年間、学校では「手がかかる子は特別支援学級に入れる」指導がなされてきた。
学校側は、手がかかる子・学力不振の子を特別支援学級へとどんどん誘導した。
また、特別支援教育の認知度が上がり、保護者側も我が子を特別支援学級に入れることに抵抗がなくなった。
その結果が、特別支援学級の増加につながっている。
特別支援教育が学校現場で始動してから15年以上経つ。
この間、発達障害という認識が世間に広まったのは確かだ。
けれども、次男が通う公立小を見ていて、特別支援教育が学校現場に根付いているとは到底、思えない。
むしろ10年前よりも特別支援教育の理念は学校現場で退化したように思える。
次男が通う公立小を見ていると、画一的な教育がいまだに行われていることに落胆する。
この15年間、特別支援教育は形式上学校に存在しているだけで、特別支援教育は学校現場に根付かなかったのだと思う。
「扱いにくい子がだんだん増えている。そういう子はできるだけ支援級に行ってほしい」のようなSNS上の教師による書き込みが散見される。
こういう書き込みを見ると、学校現場では、特別支援学級を単なる「扱いにくい子の隔離部屋」としか見ていないんだな、と思う。
「扱いにくい子を対応しなければならない担任の先生が気の毒。支援級に移ってほしい」という考えを持つ保護者もたくさんいる。
長男が小学生だった当時、特別支援学級を担任する教師は、普通学級の担任させると学級崩壊させてしまうような、普通学級を任せられない人が多いと言われていた。それは今も変わらないそうだ。
加えて、非常勤講師の先生を特別支援学級に充てることが多いらしい。
校長はふつう普通学級から担任を決め、特別支援学級の担任は非常勤講師を充てる。
特別支援学級の担任に非常勤講師を充てるのは、特別支援学級は定員が増えると急遽クラスを増やす必要があり、非常勤講師を充てて学級の増減に臨機応変に対応しなければならないという事情も大きく影響している。
けれども、学校側が「単年契約の非常勤講師を特別支援学級の担任として使いまわす」という対応を続けたことが、特別支援教育が学校現場に根付かなかった原因のひとつなのだろう。
特別支援教育って、結局、変わった子を隔離するためだけのものなのかな。