以前、孤独死について書いた(孤独死について)。
孤独死を取り上げたのは、
以前、実家の周囲で孤独死が相次いだからだ。
福祉関係者に聞くと、
町内でも孤独死は珍しくないようだ。
実家の周囲で孤独死したのは高齢者だったので、
彼らの孤独死を見る限り悲劇的だとは思わなかった。
孤独死した高齢者はどちらも、
亡くなる直前までいつもと変わらず生活していたからだ。
もちろん、高齢で長い距離の移動はできなかったけれども、
直前まで近所に買い物に行く姿が目撃されていた。
ひとりで暮らしていれば誰でも孤独死する可能性があるのだ。
置いておかれるのは高齢者よりも中年
家族遺棄社会という本を今、読んでいる。
家族遺棄社会という本では、
孤独死した40代50代の人が取り上げられている。
独り暮らしの高齢者の場合、
自治体がその存在を確認し、
様子を把握していることが多い。
私が住む自治体でも、
独り暮らしの高齢者を地域でピックアップして見守る仕組みがある。
また、高齢者に持病がある場合は介護認定がなされ、
ケアマネージャーがその高齢者を定期的に訪問したり電話で様子を確認したりしている。
けれども、
高齢者ではない単身者の場合、
自治体がその存在を把握していない。
結果、40代50代の中年世代の孤独死を防ぐ手立てが現状、ない。
家族遺棄社会という本には、
これからどんどん進む少子高齢化社会に生じるであろう歪みがあぶり出されている。