発達障害は治るのだろうか?
その答えとしては、「発達障害が治る」という言葉が何を表しているかによる。
以前、精神科医の神田橋先生らの著書「発達障害は治りますか?」という本の書評、(書評)発達障害は治りますか?を書いた。
長男を見ていると、発達障害の特性(刺激に敏感だったり不注意だったり)は完全に消えることはないように思える。
けれども、長男を見ていて思うのは、特別な配慮がいらない程度に発達障害の特性が薄まる・発達障害の特性に対して自分自身で対応できるようになることはあるのだろう。
本人の努力と工夫で社会的な生活が送れるようになっていれば「発達障害は治った」と言ってよいのだろう。
今回は、我が家の長男をみてきて実際に感じたことをまとめてみる。
長男を10年間みてきた感想
長男を10年間みてきた感想。
現在、加配なしで小学校生活を送ることができている(小学校入学時から1対1の加配ではない)。
現在、長男はちょっと行動がトロいけれども普通に生活が出来ている。
長男がこの10年間で変わったことを以下に書き出してみた。
精神面
(2歳の頃)他人の気持ちをあまり理解できない。
(12歳の現在)空気がだいぶ読める。
他人の気持ちを理解して行動できる。コミュニケーションをとるのは上手。
(2歳の頃)不注意。ぼーっとしている。
(12歳の現在)相変わらず不注意。物をよくなくす。
(2歳の頃)不安でパニックになりやすい。
(12歳の現在)小学校生活で場数を踏んできたので、細かいことではパニックにならない。
ただ、今も、初めてのことには相変わらず不安になりやすい。
(2歳の頃)行動がマイペース。
(12歳の現在)相変わらずマイペースではある。ただ10年前と比べて今は行動が速くなった分、現在は衝動的な性格が前面に出ている感じ。
感覚面
(2歳の頃)べとべとのものを触るのを嫌がる。砂場で裸足になれない(触覚過敏)。
(12歳の現在)5,6歳頃までに触覚過敏はおさまる。粘土遊びが今でも好き。砂の上に裸足も平気になる。音についてはもともと敏感だが、過敏というレベルまでではない。
運動面・身体面
(2歳の頃)右目が弱視だった
(12歳の現在)眼鏡着用だが、弱視は治る。
(2歳の頃)外反偏平足だった。
(12歳の現在)扁平足は治ってきた(偏平足が治ってきた!)。
(2歳の頃)低緊張で体がぐにゃぐにゃ
(12歳の現在)体がぐにゃぐにゃしなくなった。体幹が育ってきた。
(2歳の頃)書字が苦手/字の大きさがバラバラ/字を小さく書けない。
(12歳の現在)書字の苦手意識がなくなってきた。字を小さく書けるようになってきた。
(2歳の頃)漢字は読めるが、漢字を覚えるのに時間がかかる。
(12歳の現在)漢字は小4ぐらいから少しずつ覚えられるようになってきた。
現在はわりと短時間で漢字を覚えられる。あと1、2年すれば全く心配いらなくなるだろう。
(2歳の頃)お絵描きをしない。模写ができない。
(12歳の現在)模写をするようになった。落書きを楽しむようになった。
長男の成長を振り返ると
改めて長男の成長を振り返ると、長男はいろいろ頑張ってきたと思う。
現在まで残っている長男の特性は「不注意」と「不安」だ。
不注意も不安も、場数を踏むしかないだろう。人生経験を重ねるしかない。
不注意については、好きなスポーツ・習い事などを通して集中力をつけていくしかないだろう。たとえば、弓道・習字・楽器演奏とか。こういった活動は一定時間ミスしないようにするための集中力が必要だ。
あとは快眠・快便・十分な運動だ。
不安については深い呼吸を心がけて自律神経を整えるのがよい。
長男、これからは得意なこと・好きなことを楽しむことが大切だ。
好きなこと・得意なことを通して不注意と不安が軽減していけば良い。