今回の記事は「就学相談を受けるべきかについて誰に相談すればいいか?」について取り上げる。
来春の就学先を決めるにあたり、就学時健診を受ける前に「就学相談を受けるべきか」迷っている人は多いと思うので、就学相談について我が家の体験を取り上げる。
就学相談に関する電話相談
実は昨年、我が家の発達凸凹くん(長男)が来春小学校を卒業するにあたり、就学先についての打ち合わせを小学校側とすることになった。
わたしは小学校との打ち合わせを有利に進められるように、事前に色々と情報を仕入れて理論武装する(これ重要!)ことにした。
ネットで調べたところ、電話相談を受け付けている団体が見つかった。
わたしは電話相談でその団体に「就学相談を受けるよう小学校側から勧められたらどう対応すれば良いか」を聞いてみることにした。
別の記事(就学時健診と就学相談)にも書いたが、我が家の場合、通っていた公立保育園から「就学相談を受けるよう」暗にほのめかされたことがあったので、公的機関に相談すれば、立場上必ず「就学相談を受けたほうが良い」とアドバイスされるだろうと思っていた。
だから今回、わたしが電話相談したのは公的機関ではなく、障害児が普通学校に通うための活動をしている団体である「障害児を普通学校へ・全国連絡会」である。
なお、障害児を普通学校へ・全国連絡会のホームページ(トップページ)には、この団体への電話相談の方法が掲載されている。
電話相談の感想
障害児を普通学校へ・全国連絡会に電話相談をネット経由で申し込むと、特定の曜日・時間に電話相談をしているとの回答を頂いた。
そこで、特定の曜日・時間に電話をしたところ、感じがよい相談員さんが電話に出た。交代で相談しているそうだ。
相談員さんにはこれまでの長男の状況(小学校の普通学級に入学し、今も普通学級に在籍している・小学校卒業後の進路について小学校側と今度話し合う予定)を説明した。
今回電話相談をしてみて、たくさんの保護者が経験してきた生の情報が得られ、小学校側と交渉するうえでとても参考になった。
ご参考までに、障害児を普通学校へ・全国連絡会のこちらのホームページにも、就学時健診および就学相談に関する情報が掲載されている。
以下、電話相談の内容についてまとめてみる。
電話相談での相談員さんの回答(概要)
小学校側との交渉で重要な点
1.就学相談を受ける必要はまったくない。
「就学相談をしなければならない」と法律で決められていない。
2.就学先に関する本人・保護者の意向を小学校側にはっきり伝えること
我が家の場合「中学校への進学後もこのまま普通学級に通う予定だ」と本人・保護者の希望を小学校側にはっきり伝えるべき。
その理由は、仮に就学相談を受けると就学先が「判定」されて、それを覆すのに手間がかかる場合が多いからだ。
3.交渉の場での即答は避ける
小学校側から何か困難なことを要求されたら「持ち帰って検討します」と小学校側に答えること。
4.小学校側が就学先を強引に指定する場合「法的根拠を出してください」と回答する
小学校側が勝手に就学先を指示してくることも多いらしい。その場合は「法的根拠を出してください」と言えば、たいていの場合、小学校側は黙る。
就学相談に関する情報
・小学校側は「支援級に移れば、勉強を手厚く見てもらえますよ」とか「支援級に移ることがお子さんのためですよ」とか「このまま普通学級にいるとお子さん本人が可哀そうですよ」とか、甘い言葉で支援級に移ることをすすめてくる。
しかし、現実は小学校側のすすめで支援級に移ったことを後悔している保護者も多い。校長の無理解でなかなか普通学級に戻れないケースもあるからだ。
・いったん中学校の支援級に移ると、その後は支援級→支援学校という流れに乗ることも多い。支援学校は勉強というより職業訓練の色合いが濃い。都立高校への入学を希望するならば、このまま普通学級に居たほうがよい。
・普通学級か支援級かの判定が、学校側の都合に振り回されることもある。たとえば、人数合わせ。あともう1人生徒が増えれば支援級の先生を1人増やせるからという学校運営上の理由で、支援級への転籍を学校側がすすめてくる場合もある。その逆もある。支援級の人数がいっぱいだという理由で普通学級が妥当だと判定されることもある。
・前任校で特別支援学級の担当だった先生や、特別支援学級が設置されていた前任校から異動してきた校長・副校長が中心となって、「発達障害の疑いがある子ども」・「ちょっと個性が強い子ども」を特別支援学級へと転籍させようとするケースが最近増えている。
まとめ
小学校側との交渉に先立って、障害児を普通学校へ・全国連絡会への電話相談で情報収集をしたおかげで、我が家の小学校側との交渉は上手くいった。
我が家の長男はおそらくこのまま中学校の普通学級に進学できるだろう。
小学校側との交渉内容についてはまた別の機会に取り上げる予定だ。