「付属校好き」なご家庭

世の中には「付属校好きなご家庭」というのが存在する。

「こどもが付属校に通っている」ことがステイタスである保護者がいる。そういうご家庭では、こども全員が付属校出身だったりする。

相当に裕福ならば、小学校からこどもを付属校に通わせていることも多い。

入学式の日に付属校の前を通りがかったことが何度もあるが、保護者が晴れ晴れとした顔をしているのが印象的だった。

 

そういえば、大昔、学生時代に家庭教師をしていたときに教えた子どもたちはみんな、小学生・中学生・高校生いずれも私立の大学付属校に通っていた。

高い私学の学費に加えて家庭教師の費用まで払っているのだから、相当な金額を教育に投資しているご家庭だったといえる。

 

中学受験でも高校受験でも、難関私大の付属校はやはり軒並み難関だ。

たとえば、難関私大の付属高校の入試では、英語など、中学の学習範囲を超えるレベルの英文が出題されるのが常である。

したがって、難関私大の付属校を受験する場合は、受験機関を利用するなりして、学校での学習内容を超える範囲についてそれなりの受験対策が必要である。

 

ところが、難関私大付属の高校での学習内容はというと、高い学費に見合ったものだという話を聞いたことがない。

私が知らないだけだろうか。

「付属校では知的好奇心を刺激するような授業が受けられる」という話を聞いたことがない。

「私立高校よりも公立高校の授業内容が良い」とは思わないけれども、付属校の教育環境が際立って良いとも思えない。

 

私大付属校に通う生徒は経済的に余裕がある家庭の子なので、たとえ学校の授業内容がショボくても、受験機関などを利用して勉強を続けられる。

つまり、付属校に通わせるとなると、受験準備から入学後の学習サポートまで相当の経済力が必要である。

「経済力で学歴を買っている」みたいに見える。

 

でも、それではつまらないだろう。

少子化のせいで大学に入りやすくなってきている。

大学付属校に入学して「井の中の蛙・世間知らず」な子にさせるより、広い視野で世の中をみる経験をしたほうがいいと思っている。

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