中高一貫校が隆盛になって久しい。
都内の難関中高一貫女子校はほとんど、高校からの入学を廃止している。
これに対して、難関中高一貫の男子校では今も高校入試を続けている。
女子校よりも男子校のほうが、高入生受入れのメリットが大きいのだろう。
大学付属校であれ進学校であれ、中高一貫校が高校入試を続ける理由として「内部進学組に刺激を与えるため」だと説明する学校は多い。
中高一貫6年間ずっと同じ場所・同じ顔ぶれで過ごせば学校生活が飽きてくる・学業が中だるみするのは必然的だ。
高校入学組が高校から入学してくることで、内部進学組に刺激を与えることができるというわけだ。
確かに、高入生の入学は、内部進学組にとっては刺激になるだろう。
一方で、高入生にとって、内部進学組が多数を占める環境(高校)に入学するメリットはあるのだろうか。
高入生=内部進学組のための単なる「刺激剤」・「撒き餌」みたいに扱われているのが悲しい。
難関中高一貫校では「成績最上位はいつも中学入学組。高入生はそれなりに進学実績を作るけれども、最上位層には食い込めない」とも聞く。
高入生を受け入れている中高一貫校のほとんどは、内部進学組が過半数を占める高校である。
高校入学組の生徒が、内部進学組が多数を占める高校にポツンと少数派として放り投げられて、果たしてうまくやっていけるのだろうか。
「いやいや、うちの高校は高校入学組も内部進学組も分け隔てなく、仲良くやっていますよ」と、学校は表向きには言うだろう。
親世代の頃からすでに「高入生がなじめない」という話はあったけれど(桐野夏生「グロテスク」に詳しい)、当時は、高入生と内部進学組との感覚の相違は今ほど顕著ではなく、高入生と内部進学生とはそれなりに良好な関係を築いていたケースが多かったと思う。
格差が昔よりも広がっている現在、こどもたちは昔よりも「出自の違いで差別されること」に敏感になっている。
「高校入学で生徒みんな一斉に同じスタートを切れる点」に良さを感じて都立高校を選択する生徒は多い。
上位の都立高校の倍率が高止まりしているのは、学費が安いという理由のほかに「生徒全員が高入生だから」という理由もある。
・進学校特有の「勉強ができる者が一番エライ」みたいなギスギスした雰囲気がなく、
・大多数が付属大学に進学するがゆえの「ゆるい雰囲気」でもなく、
・「都立不合格で併願優遇で不本意入学した生徒が多数を占める」諦めた雰囲気でもない、
ちょうど良い頃合いの「高校入試で入学出来る私立高校」は東京でも数が本当に少ないと感じる。
長男の高校選びを通して、次男はここだったら入学してもいいなあ…と感じている私立高校は今のところ「2校」しかない。
その2校はどの高校なのかは、ご想像にお任せする。
正直言うと、次男の高校選びで「私立高校に関してはその2校以外は見学する必要はない」と思っている。