次男の担任の先生は「学力テストの点数を上げること」にこだわっている。
個人面談でも保護者会でも学力テストの話があった。
「学力テストがんばりましょう。保護者の方のご協力お願いします。」なんてことを先生は言っていた。
学力テストの点数を上げることにこだわっている教師をはじめて見た。
ある意味、衝撃である。
やっぱり、こういう教師が実在するんだ。
わたしが住む自治体では、自治体独自の学力テストを毎年やっている。
こどもたちの学力を把握するために学力テストをするのは悪いことではない。
でも、自治体独自の学力テストでの順位が各小学校の管理職の「格付け」になっているのでは?
長男が通った小学校では、学力テスト向上のために学年全体で勉強をテコ入れすることを保護者に求めることはなかった。
長男が通った小学校は、自治体のなかで学力テストの点数は三本の指に入っていたと聞く。
長男が通っていた小学校は中学受験する子どもの割合が高くて、中学受験率が自治体の中で一番高かった。およそ7割のこどもが何らかの形で中学受験した。つまり、学校の先生が何か努力しなくても学力テストの点数が高い小学校だった。
勉強ができない長男の存在は、学力テストの順位を下げる要因になっていたはずだが、特段、何も言われなかった。
かなり以前から、1位は〇〇小学校、2位は△△小学校、3位は□□小学校…というように、学力テスト成績上位の学校の顔ぶれは同じだと聞く。
学力テスト成績上位は、ターミナル駅周辺の地価の高い地域にある学校・中学受験率の高い学校・官舎や大企業の社宅が多い学校である。
学力テスト上位の学校はほぼ、世帯年収が上位の地域にある。
つまり、学校が頑張ったから学力テストの点数が高くなるのではない。
ストレートな表現でいうと、金持ちが多く住む学校は学力テストの点数が高いのだ。
次男が通っている小学校は自治体の中で真ん中くらい、のはず。
なぜなら、次男が通っている小学校は駅からは遠いし、中学受験率もそれほど高くない。
担任の先生の話からは、学力テストの点数を上げることは、高学年以降子どもたちが勉強をつまづかないようにしたいという心配りではなくて、学力テストの点数を上げること=先生自身の管理職へのアピールポイントだ、ということが伝わってくる。
もちろん「子どもたちのために学力を上げたい」という気持ちは、担任の先生にもあると思う。
でも、それよりも、学力テストの点数が上がること=管理職の受けを良くする=自分の評価が高くなる(それが給料に反映されるんだろうきっと)、という感じしか、担任の先生の話からは伝わってこないのだ。
保護者が頑張ることで学力テストの点数を上げるという構図は、学力テストの点数が高いことで知られる東北の某県と同じだ。
この東北の某県は三世代同居が多く、たくさんの宿題を課すことで学力テストの点数を上げていると噂されている。
たくさんの宿題をこなすには保護者の協力が必要なのだ。
先生は「学力テスト頑張りましょう」というけれども、いったい、誰が何をどうやってがんばるのだろうか。