公立小学校側の言い分
以前、都内公立小のベテラン教師が、次のように話すのを聞いた。
今の小学校のカリキュラムは素晴らしい。
小学校でせっかく「考える教育」をしているのに、
中学校・高校での詰め込み教育のせいで台無しにされてしまう。
小学校でせっかく「考える教育」をしているのに、
中学校・高校での詰め込み教育のせいで台無しにされてしまう。
そう話したベテラン教師は、学校の先生方に指導する立場にあるエラい先生である。
東京23区内ではざっくり言っておよそ半数の子どもが中学受験する。
中学受験生は、家庭での先取り教育と、中学受験塾での学習によって基礎をしっかりと身に付ける。
深く考えるためには、前提となる知識がある程度必要だ。
基礎をしっかり身に付けた中学受験生の存在によって、今の小学校で「考える教育」が成立しているという事実にくだんの公立小ベテラン教師は気づいていないのか、あるいは、事実から目を反らしているのかはよく分からない。
公立中学側の言い分
一方で、中学受験しない残り半分の生徒は、中学受験生の息抜きと化した公立小の授業にて、読み書きの基礎固めを放置されたまま、公立中学へと進学する。
東京23区内では、中学受験で学力上位層が抜けた後の生徒で構成される。東京の市部や他県でも中学受験率が高い地域も、東京23区内と同様の状態だろう。
遊園地化した公立小で読み書きが放置されたまま卒業していく生徒が公立中学に寄り集まってくる、ということだ。
緩んだ雰囲気の新入生を見て、公立中学の先生方は、
「公立小では、いったいなにを勉強してきたのか」
と嘆息し、緩んだ新入生を締め上げるため、大量の宿題を課す。
公立小が遊園地化して、中学受験しない生徒たちが放置されている事実を、公立中学の先生方は気づいているのだろうか。
気づいている先生はきっと居るはずだ。