公立中学「ちょっとね」と思うこと(数学編)

長男(中3)は東京都内の公立中学校に通っている。

いままで2年間、公立中学の学習内容・教材・試験問題をみてきた。

正直言うと「今の公立中学は、学習指導・学習教材・定期テストの問題どれをとっても、親の世代のときのほうがマシだった」と思う。

自分が昔公立中学で受けた教育のほうがまだ良かった、と思う状況になっているとは、思ってもみなかった。

今の公立中学でわたしがどんな点に気になっているのかをまとめてみた。

今回は数学編である。

 

教材が難しすぎる

生徒の構成

都市部の公立小学校では、少なくとも半数が中学受験で国公立中学・私立中学に進学し、公立中学には進まない。

たとえば、長男が通う公立中学の生徒は、

①上位15~20%:成績上位層(中学受験残念組を含む)

②約80%:小学校で成績が半分より下の層(複数の中学から寄り集まって構成)

から構成される。

①の生徒と②の生徒が同じ教材を使わないといけないのが不幸だ。

どうやら公立の学校というのは、人によって異なる教材を使うことは許されないみたいだ。

であれば、Aさんは基本問題、Bさんは基本問題+発展問題、というふうに、
同じ教材の中で解く問題を個人の能力に応じてひとりひとり変えれば良いと思うのだが。
でも現状そうなっていない・それはできないみたいだ。

 

問題が難しすぎる

長男が通う公立中学では、指定の教科書ワークをすべて解いて丸付けして学校に提出しなければならない。

おおかたの公立中学ではそういうやり方である。

けれども、長男が通う公立中学では、数学の教科書ワークが大多数の生徒にとって難しすぎる。

長男が通う公立中学が採用する数学の教科書ワークは、教科書の基本問題レベルが半分で、残り半分は教科書の発展問題と公立高校の入試レベルの問題である。

本来、成績上位15~20%の生徒を除く大多数の生徒はまず、教科書の基本問題レベルをしっかりと確実に解けるようになることが大切だ。

それなのに全員一律、発展問題・公立高校の入試レベルの問題まで解かせようとする。

成績が真ん中くらいの生徒だって、習ったばかりで発展問題を解くのはかなりハードルが高い。

入試問題に至っては本来、中3秋以降、入試までに解けるようになればよいものなのだ。

公立中学なのに、中高一貫私学のマネをしてどうするのよ?

特に、成績が半分から下の生徒はサポートなしで発展問題や入試問題が解けるわけがない。

結果、成績下位層の生徒は解答から答えをひき写して教科書ワークを完成させることになる。

とりあえず宿題を出してやらせておきました、と宿題「やらせました施策」である。

「成績上位層に対しては難しい問題にどんどん挑戦してもらい、それ以外の生徒にはまず基本を定着させる」ということがなぜできないのだろう。

 

定期テスト:難しすぎる・量が多すぎる

量が多すぎる

長男が通う公立中学では、定期テストの数学の問題は「とにかく量が多い」

時間内にこれを完答できる子どもはどれだけいるのだろうかと思うほど、量が多いのだ。

入試を想定しているのだろうが、早い時期から入試と同様に大量の問題を課す意図が分からない。

 

範囲が広すぎる

また、定期テストでは通常、直近数か月間で習った範囲を出題すると思いきや、今まで習った範囲全てが出題される。

学年末テストに至っては、1年間で習った内容がすべて出題範囲となる。

テストの平均点を下げたいのか?と勘繰ってしまいたくなる。

こどもたちに復習をさせたいのはわかる。

けれども、本気で復習させて学習内容を定着させたいならば、定期テストは別に、復習テストとして別途、テストする機会を設けたほうがいい。

定期テストと復習テストを別々にした方がこどもたちは勉強しやすいし、やる気にもなるし、なにより復習した内容が定着しやすい。

膨大な試験範囲と大量の問題数の結果、定期テストの得点分布は「二極化」する

定期テストの数学の得点分布は、成績上位層から構成される、分布が狭い「小さな山」と、平均点以下の層から構成される、なだらかで広い分布の「大きな山」からなる。

 

まとめ

しかしまた、なんでこんな状況が放置されたままになっているのだろうか。

公立中学では「内申」に影響するからと、保護者が学校側に物言うことを躊躇しているせいもあるだろう。

それよりも、この状況が放置されているのは(あくまでの私の主観だが)「大多数の保護者がこの状況を認識していない」からだと思っている。

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