私立マンモス併願校

東京都内には、
第1希望の都立高校を落ちた生徒がたくさん通う、
いわゆる「私立マンモス併願校」がたくさんある。

マンモス併願校といっても、
東京都内の私立マンモス併願校には、
地方のマンモス校みたいに、
大きな校舎と広い校庭があるわけではない。

東京23区内にある私立高校の多くは、校舎も校庭も狭い。

都内の私立マンモス併願校は、
狭い校舎のなかに、
これでもかというほど生徒がすし詰めにされている。

都内の場合、校舎・校庭が狭い高校が多いので、
1学年500人近く居れば、立派なマンモス校である。

 

私立マンモス併願校という存在

私立マンモス併願校というのは、
(たぶん)行政側からすると有難い存在である。

なぜなら、都立高校を落ちた生徒の受け皿になってくれるからだ。

私立マンモス併願校が都立高校を落ちた生徒の受け皿になってくれるから、
都立高校の定員を増やす必要がなくなるのだ。

わたしの母は、私立マンモス併願校出身である。

例外に漏れず、
その昔、母は都立高校を落ちて、
私立マンモス併願校に入学することになった。

今から60年以上の前の話である。

当時から私立マンモス併願校というのは存在したのだ。

母の話によれば、
入学した私立マンモス併願校は当時から詰め込み状態で、
1クラスに生徒が50人以上、中には60人近くいるクラスもあったらしい。

都立高校を落ちて入学を希望する生徒の人数は毎年変動するため、
入学者が読めず、予想以上に入学希望者が出る年もある。

そういう場合に、
生徒をすべて受け入れなければならないので、
1クラスの人数が60人近くになる、
ということらしい。

1クラス50人以上なんて、
厳密に言えば違反なのだろうが、
当時はそれに文句を言う人もなく、みんな大人しく通っていたそうだ。

わたしの母が通った私立マンモス併願校は
現在も「私立マンモス併願校」としての地位を確立している。

どうやら私立マンモス併願校というのは、
私立マンモス併願校なりに経営のノウハウがあるらしい。

 

マンモス併願校を脱却した学校

今でもマンモス併願校として存続している学校がある一方で、
私立マンモス併願校を脱却した学校もある。

豊島岡女子と吉祥女子である。

わたしが中学生の頃、この2校は高校受験で有名な私立マンモス併願校だった。

けれども、この2校は中高一貫化・中学受験ブームの波に乗り、
私立マンモス併願校というイメージを脱却して、
今や、女子御三家に次ぐ地位を確立するという変貌をとげている。

この2校は本当に「上手くやった」ケースだとつくづく思う。

 

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