実際に高校見学に行ってみて、私学の特徴ある教育に魅力的に感じた。
その一方で、私学というところは特徴を出すのに手段を選ばないと感じる。
私学の内申調整
私学というのは、学校の特徴をアピールするために、スポーツ・芸術・学業に秀でた生徒には集中的に資本を投下するところが多い。
たとえば、どうしても入学してほしい一芸を持つ生徒には、特待生・授業料免除・寮の提供などを行う私学もある。
こういう私学にふつうに入学した生徒にとって、私立学校は「お得感」があんまりない。まるで授業料を寄付しているかのようだ。
30年以上前の段階で、スポーツ推薦で入学した生徒に対して特別に易しい内容の教科書を使って、内容がとても簡単な授業を行う私立学校が出始めていた。
それが最近は、
・スポーツ特待生がいるクラスの授業内容を易しくする
・スポーツ特待生がいるクラスでは、テストで出題される内容をまとめたプリントをやらせ、プリントの内容をそのまま出題してテストの点を取りやすくする
など、スポーツ特待生が指定校推薦やスポーツ推薦を取れるような工夫をする私立学校があると聞く。
こういうやり方が横行するならば、真面目にコツコツ勉強している一般生徒が指定校推薦を取ることは難しくなる。
確かに、試験期間中にスポーツの大会があるのはよくある話だ。そうなると勉強どころではない。スポーツ特待生の生徒に対して大会直前に試験勉強を強いるのが酷なのもよく分かる。徹夜して試験勉強に励めば、スポーツにも勉強にも身が入らない。
だからこそ、スポーツ特待生に対して学校側が何らかの配慮をするのも分かる。ただ、他の生徒がその分の割を食う。
私学の場合「コネ入学」という話は昔も今もよくあることだろう。それに私学である以上、生徒を集めるために何らかの特徴を出したいという気持ちは分かる。
何の取柄もない長男が、スポーツ特待生を集めている私学に入学しても何の恩恵も受けられないことだけは確かだ。