家庭教師というアルバイト

コロナ禍で緊急事態宣言発令中、バイトがなくなって大学生の生活が困窮しているという報道を見た。

今はおおむね半数の大学生が奨学金をもらっているといわれている。

思い返せばふた昔前は「家庭教師」という、大学生にとって割の良いバイトもあった。

バブル期は、そこそこの大学に在籍していれば家庭教師のなり手があった。

けれども最近では、家庭教師は「個別指導塾」にとって代わってしまった。

今は、「家庭教師」という職業はいわゆる「プロ」か、ごく一部の超高学歴の学生しか従事しなくなったということか。

「個別指導塾」がシステム化された結果、テキストは原則として運営会社の本部が作成し、保護者対応は原則として教室運営者が行う。

大学生アルバイトは、個別指導塾で教える業務に専念することになる。

とはいえ、保護者面談に同席を余儀させられることもあり、それが嫌だという声も大学生からよく聞く。

個別指導塾がシステム化された引き換えとして、大学生講師の時給は昔の家庭教師の相場から比べてだいぶ低くなった。

教室の賃料や設備費・教室運営者の給与・テキスト作成担当者の給与・本部の運営費・広告宣伝費その他諸々を差し引いた残りが、個別指導塾でバイトする学生のアルバイト料だからだ。

家庭教師に代表される「うまみのあるバイト」が世の中から無くなったのは今の大学生にとって気の毒だ。

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