最近、ある都立上位校に現在子どもを通わせている保護者の方と話す機会があった。
その際、都立上位校に合格するためにどんなことをしてきたかを教えてもらった。
それを聞いて、都立上位校の受験が昔とだいぶ雰囲気が変わってきていると実感した。
以下、最近の都立上位校の受験について私が感じたことを書く(注:あくまで私個人の感想だ)。
以下の事柄は、都市部の受験業界では当たり前となりつつあるのかもしれない。
塾業界とは縁遠い保護者としてはビックリだ。
都立上位校の受験が中学受験みたいになってきた?
親子がタッグを組んだ高校受験
昔は、高校受験というのは中学受験とは違い、親は関わらずに子どもだけで挑む受験だった。
けれども、最近は少し様子が変わってきているらしい。
一部の家庭だけかもしれないが、都立上位校の受験が親子でタッグを組んだ総力戦になっている。
たとえば、どこの塾に入るとか・いつのタイミングで転塾するとか・どこの高校説明会にいつ頃行くとか、そういうことを親主導で決めているご家庭が多いらしい。
つまり中学受験と同じような状況になっているということだ。
情報戦
ご承知の通り、都立上位校では自校作成問題が出題される。
都立上位校の自校作成問題は各高校によって特徴が異なる。自校作成問題における問題の特徴が、各高校から受験生へのメッセージともいえるのだから。
最近は、各高校の問題の特徴などの情報を受験機関が保護者に提供している。子どもだけではなく親も一緒にそういう情報を入手して、受験する高校を決める際の判断基準に使っている。
特定の塾に通う
都立上位校の合格を目指して、特定の塾(名前は控える)に通う生徒も多い。
最初は地元密着の塾に通っていても、保護者の勧めで途中で転塾するという話も聞く。
ちょっと前までは、地元密着の塾から都立上位校に合格する生徒は結構いたものだ。
しかし、都立上位校で自校作成問題が復活してからは、地元密着の塾だけに通って自校作成問題校に合格するのは結構難しくなっているように思うのだが、どうなのだろう?
プロの家庭教師を雇うのならば別だろうけれど。
都立中高一貫校を受験した生徒が多い
ここ数年に限った話ではないが、中学受験で都立中高一貫校を受験して残念だった生徒が都立上位校の受験を目指すことも多い。
実際、都立上位校に合格した生徒のうち都立中高一貫校残念組というのはどの程度の割合なのだろう?
独学では都立上位校への合格は難しいのか
昔は都立上位校でも「独学」が珍しくなかった。
しかし、今はどうなのだろう?
上述したように、最近は都立上位校合格を目指して特定の塾に通う生徒が多いし、中学受験のように保護者が高校受験に関与するようになってきた。
都立上位校の問題は共通問題とは異なり、受験を希望する高校にあわせた独自の対策が必要だ。
都立上位校に合格するためには、難関国私立高校と同等レベルの試験問題をこなせると有利だろう。
そのうち、都立上位校を受験する生徒は英語の先取り学習が当たり前になっている。
そうすると、都立上位校は中学受験と同様、一定以上の所得レベルで教育熱心な家庭の子どもでないと、都立上位校に合格しにくくなるのではないだろうか。
現在、都立上位校にほぼ独学で合格する生徒はどの程度いるのだろうか。
この状況下で都立上位校にほぼ独学で合格できるとしたら、それはそれで相当頭が切れる生徒だとは思うが、気になる。