「公立小学校」という場所は、人手不足・重労働が原因で、就職先として若者からすっかり敬遠されるようになった。
同時に「どんな子でも受け入れます」というオープンマインドな姿勢は、昨今の小学校からはすっかり消えてしまった。
すべての小学校でそうだったとはいえないけれど、我が家の長男が公立小に入学した2010年代前半までは、先生方の気持ちにはもう少しゆとりがあって、オープンマインドな心意気が公立小に残っていたと思う。
それが「発達障害」という概念が世の中に浸透するにつれて、「面倒な子は最初から排除する」方針が公立小学校に定着していったように思う。
先生方が多大な業務をかかえて多忙なのはよく分かる。
けれども私はやっぱり強く願う。
「公立小学校には以前のようにオープンマインドでありつづけてほしい」と。
今は、入学前に校長先生と面談をして、普通学級でもやっていけそうかどうかを確認している小学校が多い。
今の公立小学校は「こういう条件だったら入学を許可します」みたいな、「こどもを選別して条件付きで受け入れる」方針になっている。
以前は「基本的な数の概念が理解できる」・「基本的なコミュニケーションがとれる」子であれば、公立小学校は無条件にこどもたちを受け入れていたはずだ。
仮に、もうすぐ高校を卒業する我が家の長男が今の時代に公立小に入学するとしたら、最初から支援級(分離教育)を小学校から提案されただろう。
それに、今は保護者の意識が以前と変わってきている。
無理に普通学級に入れてつらい思いをさせるより、手厚いサポートを求めて最初から支援級を選択する保護者は昔より増えている。
保護者の考えはそれぞれなので、それで良いと思う。
普通学級にも良いところ・悪いところがあるし、支援級にも良いところ・悪いところがあるのだから。
何か月か前の読売新聞が5歳児検診を取り上げていた。
その記事は5歳児検診について踏み込んだ内容ではなくて、「この程度ならば誰だって書けるさ」という程度の、はっきり言って浅い内容の記事だった。
筆者の意見もない、単なる紹介記事なら新聞に載せてもしょうがないのにね。
以前にも書いたが、5歳児検診については「直近に就学時健診が実施されているのに、わざわざ5歳児検診を行う意義がない」という意見もある。
私は、5歳児検診についてはデメリットのほうが大きいと思っている。
発達障害の早期発見ならば1歳半検診・3歳児検診で十分すぎるほど検出が可能だ。
しかも、直近に就学時健診があるのにわざわざ5歳児検診を行う必要性が感じられない。
それならばなぜ5歳児検診をやるのだろうか?という疑問がある。
どうやら5歳児検診は学習障害の検出が目的のひとつらしい。
でも、5歳で学習障害を検出して、その後、どうするのだろうか。
学習障害かどうかの見極めは5歳では難しいだろう。
書字障害で不器用だった長男は、小さいうちはビジョントレーニングなどの療育に通った。
ビジョントレーニング自体は効果があったと思う。なぜなら、文章を読む困難さはビジョントレーニングで解消できたから。
けれども、結局、書字障害も不器用さも、本人の成長を待って、少しずつできるようになってから克服していくしかなかった。
5歳児検診で「異常」を検出するよりも、保護者も学校関係者も、長い目で成長を見守る姿勢が最も大切だと思っている。
