長男の場合、小学校時代は2年に1回の頻度で、個人面談をしに学校に呼び出された。
学校からの呼び出しは、全家庭対象の定期的な個人面談とは別の「特別な『個人面談』」をするためである。
個人面談の目的は、学校が「長男に発達検査を受けさせるため・発達検査に基づいて支援級に転籍させる」ためだった。
今や、発達検査がすっかり学校現場に定着したことに驚くとともに、残念でならない。
長男が小学生低学年の頃は、学校現場での発達検査はまだ過渡期で、保護者が発達検査を拒否できた。けれども今はもう、そうはいかないみたいだ。
「発達検査を受け、学校が指定された場所(普通級なり支援級なり支援学校なり)に在籍して適切な支援を受けること=正しいルート」という認識が世間に定着してしまった。
そんな長男、中学校では素晴らしい担任の先生に恵まれた。
中1のときの個人面談で「特別支援のお誘い」が担任の先生からあったときに、きっぱりと断った(長男もそれを望んでいた)。
担任の先生は我々の意向をくんでくださり、それ以降は、長男が通った公立中学からは、発達検査や支援級転籍のための個別面談の呼び出しはなかった。
長男が高校に入学してからも、個別面談をやろうという連絡は学校からは来ない。
長男が高校生になってから本当に気が楽になった(高校生になれば、気が楽だ)。
長男が通う高校(非進学校)では、小・中学校時代に特別支援を受けていた子が少なくない。
だから長男は高校では目立たない、という理由もある。
「学校からの呼び出し」を心配しなくて済むのはなんて気楽なことだろう。
小学校時代は「特別支援」・「支援級」とあんなに騒ぎ立てられたのに(学校に精神科医が関わることについて【小学校】)、中学以降は特別支援教育は要らなくなった。
公金で特別支援教育を受けなくても、高校までたどり着く方法は存在するのだ。