小学生の次男、小さい頃は公立園(幼稚園)に通っていた。
次男は園が大好きだった。今でも次男は園での経験を思い出して楽しそうに語る。
次男が通った園はこどもの自由な発想を大切にする素敵な園だった。先生方が優しくて勉強熱心で、発達がゆっくりめの子の受け入れ体制も整っていた。
ところが、「次男が通った園を園児はみんな満足していたのか?」というと、残念ながら、実際はそうでもない。
わたしも次男も素敵な園だと思っていたけれど、卒園後、いろいろな保護者に話を聞く、実は「園に行き渋っていたので園に良い思い出がない」という話をちらほら聞いた。
「こどもたち全員が満足する園」を作り上げるのはやっぱり難しいのだ、とつくづく思う。
ひとりひとりの個性や発想を大切にしていて、先生方の人柄が良くスキルも高く、行事(運動会や演奏会)で集団活動を強要しない素晴らしい園だと私は思っていた。
けれども実際は、園に楽しい思い出があまりない子が少なくない。
発達がゆったりめな子には園(保育園・幼稚園)が楽しくない場合もある。
もちろん、発達がゆったりめであっても長男みたいに「園大好き」という子もいる。
けれども、残念ながら、発達がゆったりめな子は「園は楽しくなかった」というケースが案外多い。
「園よりも小学校のほうが楽しい」と言っている子もいる。
発達がゆったりめの子はたいてい、園とは別に、週何回か療育に通っている。
小さい頃から療育機関に通っていて、園よりも療育機関のほうが安心して過ごせたりする。
つまり、彼ら彼女らにとって療育機関が「自分の居場所」になっていて、園は「たまに行く場所」なのだ。だから園では安心して過ごせないのだと(わたしの目から)見えた。
療育に通う子は週に2,3日しか園に来ない。だから園児の中でどうしても「外様」扱いされてしまう、という理由もあるだろう。
しかも、園はたくさんの子どもがいる。色々な子がいる。
いろいろな子がいろいろな活動をしているから、園はとにかく賑やかでいろいろな音がする。そのせいで落ち着かなくなる子もいる。
次男が通った園は加配の先生がたくさんいたけれど、園はやはり集団生活の場で、先生方が個別に思いを汲んでくれるとは限らない。
卒園後は小学校の通常級に進学した子たちでさえ「園は楽しい場所ではなかった」と後で聞いた。
発達がゆっくりめだった我が家の長男は保育園で楽しく通っていたので、わたしは、発達がゆっくりめな子も療育機関ではなく、できるだけ、いろいろな子がいる園で過ごした方が良いと思っていた。
けれども、そう単純な話じゃないみたいだ。